台湾故宮所蔵国宝 中国文物学会が無断で模造、発売 著作権侵害の批判に 中国側「権利帰属は定かでない」

J061023X3・J061022X3 2006年11月号(J87)

 中国のマスコミは先日、中国と台湾両方の故宮博物院が所蔵する珍奇な瓷器20件を復元・模造した作品が近く発売されると伝えた。中国文物学会は台北故宮博物院の協力を得て15名の専門家からなるチームが復元にあたり、3年がかりでようやく製作当時の姿を再現することができたというのだが、当の台北故宮博物院はこの報道に対し、事実無根だと否認している。

 今月20日、台北故宮は、中国文物学会或いは北京故宮による収蔵品の復元模造事業や商品開発には一切関与していないとの声明を発表した。これについて、中国側は、確かに台北故宮から事前同意を得ていないと認める一方、台北故宮が収蔵する国宝の所有権がどちらに帰属するかは定かでないとも強調している。今回模造された20件の作品のうち、14件は台北故宮がその原作を収蔵している。これらの瓷器については、入手した資料をもとに模造したという。とすると、台北故宮の協力を得たとは真っ赤なうそということになる。

 我が物顔をする中国側の説明に、台北故宮は22日に、「台北故宮収蔵品の写真や図画は世界貿易機関のTRIPS協定によって保護されており、権利者の許諾を受けないこれらの著作物に関する如何なる複製・販売行為も許されない。台北故宮博物院所有の著作財産権を侵害し、世界的なルールに反する行為以外の何物でもない」と表現をより一層強くした抗議声明を発表している。(2006.10)

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