国宝級収蔵品「翠玉白菜」等が商品化 台湾故宮はライセンス事業へ ディスプレーにも名作が再現 文化財活用の新発想色々
J061009X3 2006年11月号(J87)
観光客が博物館に来た記念に、ミュージアムショップでお土産を購入する傾向があるのに着眼して、日本ツアー客に人気ナンバーワンの「翠玉白菜」といった台湾故宮博物院の目玉収蔵品等を商品化しようとするサンリオと、ライセンス収入を目論む台湾故宮博物院との思惑が一致したことから、翠玉白菜の形をしたクッキーや、アニメ化したキーホルダー、携帯ストラップ、ステンドグラス、織物など台湾故宮所蔵の国宝級文化財がさまざまな商品に変身して続々と登場する。国宝そっくりのものを気軽に手に入れ、身近なものとして愛用したり、我が家に収蔵できる商品にしたいというのは、世界中に多くの人々を魅了するHello Kittyを世に送り出したサンリオ社のアイディアであり、文化財を生かすブランドライセンス事業に力を入れている台湾故宮のマーケティング戦略の一でもある。
文化財に目をつけたのは、キャラクターグッズで有名なサンリオだけではない。こんなところにも国宝が楽しめられると、液晶ディスプレーに国宝級の名画を再現したのは台湾大手メーカー、ベンキュー。限定販売で、身分証明書のようなものまでが付いているという。当然のこと、価格は通常より倍以上がする。台湾故宮博物院はブランドライセンス事業に乗り出して以来、さほどの時間が経っていないが、年間ライセンス収入2億元から4億元に膨らむ増加ぶりで、確かな手応えがあったと更なる規模の拡大を見込んでいる。(2006.10)