特許数最多の工業研究院 ライセンス収入三段跳び 技術開発インセンティブに 発明奨励金上限撤廃

J061026X5・J061012X5 2006年11月号(J87)

 台湾で特許取得数が最も多い「工業研究院」は、04年に技術移転センターと技術サービスセンターを統合して「技術移転とサービスセンター」(TTSC)を設立してから、パテントポートフォリオで半導体、デジタルテレビなどに関連する特許技術を包括的に台湾大手メーカーにライセンスするなど、この3年間で得たライセンス収入は3倍に増え、今年は15億元に達すると見込んでいる。

 自ら開発した技術発明に加え、政府予算で進める科学技術開発プロジェクトの研究成果、さらに外国の研究機関から運用を依頼された特許の数々、パテントポートフォリオや特許ライセンスを通して学界と密接に連携しながら、特許の価値を最大限に引き出すことに取り組んでいる。

 また、技術者の研究開発意欲を喚起するために、400万元だった発明奨励金の上限をも撤廃した。毎年、発明者に対してその開発した特許技術の利用による純利益の25%にあたる金額を発明奨励金として支給する方針が打ち出され、たとえ発明者が仕事を辞めた後でも、退職後5年間は引き続き25%の純益金が支給される。六年目からは逓減し、十年目にはゼロになる。去年、百万元以上の奨励金が支給された技術者は500名以上にのぼる。そのうち最高額500万元(約1650万円)をもらった人もいる。同研究院は創設以来33年間、優れた人材を輩出しており、株式上場企業・店頭企業の最高責任者(CEO)のなかで、同研究院出身者が60名を超える。

 科学・技術の研究・教育の世界的な中心のである、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)、カリフォルニア工科大学、コロンビア大学大学やエアプロダクツ社(世界で唯一の産業ガス及び化学品両方の製造・販売会社)のような大手企業が所有する特許の利用率は平均で10~20%であるのに対し、台湾工業研究院の04年度の特許利用率は22.2%に達している。02年~04年の間に、同研究院が開発した技術を産業界に移転した結果、総額510億元、計1034件の投資プランを成功に導いた。(2006.10)

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