国民の司法参加が実現可能 社会が注目或いは重大な刑事事件 参審条例、年内に立法院に送り 成立なら3年間試行
J061121Y9 2006年12月号(J88)
司法院は20日、「国民参審試行条例」を公表した。社会が注目し或いは社会の治安に重大な影響をもたらす刑事事件について、検察官が公訴を提起した場合、一般の人々が審判に参加する機会がある。同条例は年内に立法院に送る予定。
国民参審制は一般人が参審員として職業裁判官と共に合議体を構成し、刑事訴訟手続きに関与することをいい、国民主権を確実なものにし、司法の民主化を促進するために導入される。国民が刑事裁判に参加する制度を導入している国は多く、裁判に参加する形態等は国によって様々だが、おおむね陪審制と参審制に分けることができ、日本でも司法改革の一環として陪審制と参審制のいずれとも異なる日本独自の「裁判員制度」が導入されている。
この制度の対象となる事件は、死刑、無期懲役に当たる罪に関する事件のほか、例えば「汚職治罪条例」第5条1項、第6条1項の「利得を意図する罪」、総統・副総統選挙罷免法と公職人員選挙罷免法の「投票贈賄罪」などがあげられる。また「社会が注目する」又は「社会治安」に重大な影響をもたらす事件についても適用する。検察官が公訴を提起し、被告人が無罪を主張するときには、地方裁判所は職権により参審制による事件審理を決定し、または被告側から申し立てることもできる。
国民参審試行条例のポイント
対象事件 |
重大で、或いは社会が注目する刑事事件 |
審判参加の決定 |
地方裁判所の決定又は被告の申立てによる |
参審員の資格 |
25歳以上70歳未満で、地方裁判所の管轄区域内に戸籍があり、かつ高等学校・高等職業学校以上の学歴を有する者 |
法廷の構成員 |
職業裁判官三名、参審員四名。 |
(2006.11)