実用新案技術報告交付前 権利者に説明の機会を

J061202Y1 2007年1月号(J89)

 実用新案権者の権利を確保するため、実用新案(台湾では「新型専利」という)技術調査報告書で、同実用新案出願に係る考案に新規性若しくは進歩性がないと判断された場合、報告書を交付する前に権利者にそれについて説明する機会を与え、その説明次第で知的財産局は先の認定を変更することもありうる。この新制度は07年1月1日から実施する。

 04年の専利法改正以降、実用新案に形式審査(日本の「方式審査」に相当)が導入され、実用新案登録出願について先行技術の検索と実体要件の判断をする必要がなくなり、権利の有効性が確認されないまま、出願人は権利を取得してしまうわけだから、実用新案権の実体要件を満たしているかを確認しようとするときは、専利法により、知的財産局に同実用新案に関する技術報告書の作成を請求し、それを権利行使或いは技術実施の根拠とすることができる。しかし、認定の結果はどうあれ、実用新案技術報告というのは、当該技術が実用新案としての構成要件に当てはまるかを客観的に判断し、報告担当者の所見を提供するものに過ぎず、その権利が有効かどうかの処分ではない。

 ただ、技術報告書で新規性或いは進歩性に欠けるという判断が出された場合、当該実用新案権に基づく第三者への権利行使には不利な材料となり、権利侵害訴訟提起の根拠としては不十分かつ問題に満ちたものであるといった意見が実用新案権者から多数寄せられてきたことに鑑み、最終的な技術報告書を仕上げる前に、権利者に一度その内容に関して説明する機会を与える。(2006.12)

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