医薬特許にPatent linkage導入を要請 アメリカ当局 台湾後発医薬品メーカーへの競争排除が狙いか?

J061207Z1 2007年1月号(J89)

 アメリカ通商代表と米国商工会議所から製薬業への「Patent Linkage」導入を迫られていることがマスコミの報道で明らかにされた。米側のこの動きに対し、経済部(経済産業省に相当)の外郭団体である情報通信工業振興会(通常、「資策会」と略す)科学技術法律センターは、「パテントリンケージの実施が、結果的にアメリカ製薬会社が台湾後発医薬品メーカーに対する大掛かりな特許権侵害訴訟の前哨戦になるかもしれない」と警鐘を鳴らした。

 米国通商代表部が通商法301条項に基づいて、06年上半期に公表した05年の報告では、48カ国のうち半数以上が「Patent Linkage」を導入していないことから、これらの国における医薬政策も貿易自由化に反する疑いがあると指摘している。現在のところ、いわゆる「Patent Linkage」が実施されている国は、カナダ、中国、中米諸国、ヨルダン、シンガポール、チリ、オーストラリア、モロッコ等々。実施のきっかけはアメリカとの自由貿易協定締結。

 アメリカ当局はジェネリック医薬品の発売を促すために、ジェネリック医薬品メーカーが「Patent Linkage」を拠り所に先発医薬品メーカーが所有する医薬品特許にチャレンジすることを認めている。チャレンジに成功すれば、180日間の独占発売権を獲得できる。しかしその一方で、競争相手を市場から排除するために、特許権者である先発医薬品メーカーが特許権侵害訴訟を提起し、裁判所で事件が審理されている間に後発医薬品メーカーによる係争薬品の発売を最大30ヶ月間先に延ばすことを求めることも可能である。2002年、米連邦取引委員会は、特許侵害訴訟を手段にライバル会社の商品発売を遅らせるようなやり方を問題視し是正すべきだとして、翌年米国会で法改正が行われた。(2006.12)

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