CD-R特許権の強制実施、欧州委員会に不服申立て フィリップス 台湾をWTOに提訴か? 知的財産局は適法な処分と強調

J070123Y1・J070122Y1 2007年2月号(J90)

 オランダのフィリップス社が所有する五つのCD-R特許に関する台湾知的財産局の強制実施許諾処分をめぐり、国際貿易紛争に発展することが懸念されている。フィリップスの同処分への不服申立てについて、欧州委員会でTBR(貿易障害規則)に基づく調査を実施するか、検討しているところだが、最悪の場合、WTO紛争解決手続きに持ち込むこともありうると伝えられ、WTOに加盟して五年目に入ったばかりの台湾にとって、決して好ましいことではない。このため、経済部(経済産業省に相当)はプレス発表で、特許権の強制実施に関する法改正及び個別案件について、国際関係の維持と調和を優先させることを視野に入れながら、引き続き知的財産権の保護を推進し、より良い投資環境を整備していきたいと強調していることから、柔軟な姿勢を内外に示す思惑がうかがえる。

 フィリップスと知的財産局は、強制実施許諾を定めたTRIPS協定第31条に対する認識が大きくすれ違っている。フィリップスは、強制実施の許諾は公共利益の促進、或いは公共への危害防止を目的とする場合以外に認めるべきではない、と主張するのに対し、知的財産局は、CD-Rの市場販売価格が大幅に下落しているにもかかわらず、特許の利用料について、フィリップスは依然として光ディスク一枚につき売価の四割にあたる6セントという高い水準を堅持し、さらに台湾メーカーとフィリップスの一年余りにわたる交渉を経て、それでも合意に至らなかったため、専利法により強制実施の請求を認めたという。

 経済部はフィリップスによる処分廃止請求に関し、専門家を招いて専門調査委員会を設置。委員会は不服申立ての趣旨、理由等を勘案し、証拠資料を調査したうえで処分が妥当だったかどうかを判断する。(2007.01)

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