教科書の違法コピーが五割超 大学生、お財布事情のためやむを得ず

J070308X3 2007年4月号(J92)

 ある大学教授は大学生による教科書コピーの実態を調査したところ、およそ九割の学生は教科書等の大量コピーは著作権侵害になることを知っていることがわかった。しかしながら、それでも50.6%の学生は教科書をコピーしていると答えた。その答えにはお財布事情が厳しいという経済的要素が反映されている。

 この調査は台湾北部12の大学の一年生と二年生を対象に行った。半分以上の学生は一学期に七~一〇冊の教科書を約10,500円以上をかけて購入している。教科書にかけるお金は学生にとって大きな負担だから、その一部をコピーして使っているという。また「値段が高いうえ、実用性に欠ける」も教科書購入をためらう原因の一つ。

 大学側は学期が始まるたびに正規版の教科書を利用するよう呼びかける。今年二月、教育部(文部科学省に相当)も知的財産権保護の宣伝強化のため、各大学に学校周辺の印刷・コピー店のリスト作成を要請している。

 ここ数年、大がかりな取り締まりの結果、学校周辺のコピー店は教科書コピーの依頼に慎重になっている。学生証の提示を求めたり顔見知りでないと引き受けないなど警察の囮捜査に引っ掛からないように気をつけている様子だ。コピーの拠点を別の場所に移す店もあるらしい。(2007.03)

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