イチロウ肖像権侵害、台北地裁 損害賠償金500万元の支払命じる

J070510X6 2007年5月号(J93)

 アメリカメジャーリーグのマリナーズに所属の鈴木一朗選手が、彼の写真を本人に無断で販促広告に使用した台湾大手スポーツ用品メーカーを、肖像権侵害として訴えた民事裁判は先日、謝罪広告の掲載を除いた原告の請求が全て認められる判決が下された。台北地方裁判所は被告に対し、損害賠償金500万元(およそ1,750万円)のほか、イチロウ選手の写真が不法に使用された商品の回収・廃棄、並びに広告の撤去を命じた。

 三年前に、イチロウ選手のマネジャーが台湾を訪れた際に、デパートのスポーツ用品売り場だけでなく、バスの車体広告や雑誌の広告ページにもイチロウの写真が広く使われていたことに驚き、裁判に踏み切ったという。

 原告が受けた財産上の損失と非財産上の損失について被告がそれぞれ350万元、150万元の賠償金を支払うべきとされた部分が認められたが、名誉回復のための新聞紙への謝罪広告掲載については、裁判所は、鈴木一朗の人格も名誉も被告の行為によって毀損されることはなかったとして、原告の請求を退けた。(2007.05)

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