バイオ特許出願 台湾はEUに引けを取る

J070727Y1 2007年8月号(J96)

 知的財産局が発表した2006年度の技術分野別特許出願数順位トップ10とEPO(ヨーロッパ特許庁)が発表したデータを照らし合わせてみると、台湾での半導体、オプトエレクトロニクス分野に関する出願件数はヨーロッパ諸国と肩を並べているが、発展重点産業として経済当局が後押しするバイオテクノロジー分野の出願の減少が際立っている。

 技術別出願状況の内訳は、首位の半導体関連が3500件で、昨年と大して変わらない。これに対し、EPOでは医学・獣医学に関する出願が1万6000件(前年比7.5%増)と最も多く、EPOへのバイオ関連発明の特許出願が急増する傾向を見せている。EPOとは対照的に、台湾の当該分野の出願数は05年の15位から06年の22位に転落し、出願全体に占める割合が1.3%にとどまり、増えるどころか20%を超える減少となっている。

 このほか、06年のEPOへの「生化学・遺伝子工学」関連出願は3847件で、4.8ポイント減少したものの、それでも8位にランクインしている。一方、台湾における同分野関連出願は前年比で23%という大幅な減少になり、23位。
 
 知的財産局によると、台湾の半導体やオプトエレクトロニクス分野における技術水準が先進諸国に引けを取らないが、政府が注力を強めているバイオテク分野に関する特許出願状況がかえって好ましくない方向に動いている。バイオテクノロジーにおいて、台湾は明らかに市場動向を特許で左右する先進諸国に差をつけられている。

2006年度の台湾とヨーロッパの技術別特許出願順位の比較

順位

台湾

ヨーロッパ

1

半導体装置

医学・獣医学・衛生学

2

光学・測量

電気通信技術

3

基本電子回路・通信

計算機科学

4

半導体応用

基本電気素子

5

電子デジタル情報処理

有機化学

6

基本電子素子

測量、測定

7

電力

一般車両

8

成型

生化学・遺伝子工学

9

交通運輸

有機高分子化合物

10

信号制御装置

エンジニアリングコンポーネント又は部品

(2007.07)

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