神仏参拝用金紙の図柄にも著作権容認 創作性の有無がカギ

J070827Y2・J070827Y3 2007年9月号(J97)

 祭祀に使う金紙まで模倣品が出回っていることを聞いて驚かされた人は少なくないだろう。ある金紙専門販売店の責任者Aは「八路発財金」(「発財」とは、金持ちになることをいう)と呼ばれる金紙を中国で印刷したうえ、台湾に逆輸入して販売していたことで、X社の登録商標「八路」を不正に利用し、かつX社がデザインした金紙の模様を無断複製したとして商標権及び著作権侵害で訴えられ、不起訴処分になった事件である。

 X社責任者Bによると、同社はすでに「八路」、「五路」、「八方」、「五方」という文字について商標登録を受けており、また同社で製造した金紙「発財金」の図柄とその使用方法についての著作権もX社に帰属するため、その同意を得ないAが中国で金紙を印刷したり台湾で販売したりする行為はX社の知的財産権を侵害したことにほかならない、という。

 これに対し、Aは、販売店で扱う金紙製品は全て自らがデザイン・開発したもので、中国業者に製造を委託し、その完成品を台湾に輸入して販売していたのであり、X社の商標・著作物を違法にコピーしたというようなことは事実ではないと主張する。事件後、金紙のデザインについて和解の話がまとまったが、商標「八路」をめぐっては争いが続いている。

 検察側では、金運を高め、商売繁盛などを願うために拝む神様「財神」は「八路財神」、「五路財神」に分けられ、通称「八路」、「五路」、そして金紙の「八路金」や「五路金」は祭祀の対象を表し、民間習俗で通用する言い方であるため、商標として使うことができないとしている。

 X社はここ数年、金紙の印刷・製紙業者や販売店を相手取る裁判を次々と起こしている。図柄の設計に創作性が見られたものは著作権法が保護する対象になるということで、裁判所と検察側の認識が一致している。(2007.08)

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