特許権侵害で最高賠償額を記録 台北地裁、台湾上場企業に米社への20億元賠償金支払い命じる

J070707Y1 2007年10月号(J98)

   台湾上場企業の中石化会社が、ライセンス許諾を受けていないにもかかわらず、米社‧セラネーゼ社(Celanese)が特許を有する酢酸製造方法を無断で酢酸の生産に使用していたことで、ゼネラーゼは中石化を相手に、訴えを起こし損害賠償を請求した。台北地方裁判所は、中石化に20億元の賠償金の支払いを命じる判決を下し、台湾メーカーの特許侵害訴訟における最高賠償額を記録した。

   裁判官は、専利法で規定されている特許侵害損害賠償の計算方法により、中石化、原告に73億元余りを賠償すべきであると考えたが、ゼネラーゼ社は20億元しか賠償請求をしなかったため、その請求どおりに判決を下した。

   中石化会社は、1990年からセラネーゼ社の特許を侵害しており、同社から三件提訴されている。一件目は、中石化会社が1990年9月から12月までの間、セラネーゼ社の特許を侵害していたことにつき、中石化会社に2300万元余りの賠償金の支払いを命じた。二件目は、中石化会社が1996年から1999年までの間、特許を侵害していたことにつき、8億9000万元余りの賠償金の支払いを命じる判決を下した。二件とも高雄高等裁判所支部に控訴され、なお審理中である。

   昨日の判決は、中石化会社によるセラネーゼ社の特許侵害に関する三件目の判決である。裁判所は、中石化会社が2000年から2005年までの間、セラネーゼ会社の特許を侵害し続けていたと認定し、20億元の賠償金支払いを命じる判決を言い渡した。

   セラネーゼ社は、台湾において「メチルアルコールと一酸化炭素により酢酸を製造する方法」で特許出願し、その特許権利期間は1987年から2005年までとする。中石化会社は、かつてセラネーゼ会社と特許技術のライセンス許諾について交渉したことがあったが、交渉が決裂に終わり、その後ライセンス許諾を得ずにセラネーゼ社の特許製法を無断で中石化会社の工場における酢酸の生産に使用し、販売利益を得ていた。

   裁判官は、審理において、特許侵害の損害賠償額は、侵害会社の当該商品の売上額に利潤を乗じて算出した数値に更に2~3倍の懲罰的賠償金を乗じて得た額とする、と認定した。これに基づいて算出した、中石化会社がセラネーゼ会社に対し賠償すべき額は、73億元余りとされた。(2007.07)

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