今年上期の初審での特許査定件数 昨年同期の約半数にまで減少

J071003Y1 2007年11月号(J99)

   今年上半期の出願件数のうち、初審(実体審査)でわずか28%に特許付与の査定が出たことが、知的財産局の統計で分かった。これは去年の半数に等しい大幅な落ち込みとなり、特許取得の時間が予定以上に長引いていることが懸念される。

   知的財産局が発表したところによると、今年1~6月まで月に約4000件の特許出願がなされ、昨年同期比横ばいだったが、初審で処理済となった案件8325件のうち、登録査定が出されたのは28%(2350件)と、一昨年の60%、昨年の56%に比べて下げ幅が著しい。一方、処理済案件のうち登録査定を除いた5975件(72%)について、拒絶理由先行通知書あるいは審査意見書が送られたものの、これを受けた後で拒絶査定、登録査定となる件数が全体に占める割合は25%、47%と、一昨年(16%、24%)、昨年(17%、27%)同期より増えている。

   知的財産局によると、今年1月1日から実施する「拒絶理由先行通知書」制度が、初審における査定件数が減少し、処理時間が長引いた大きな原因となっている。すなわち特許査定前に、先行通知書および検索報告を出願人に出し、疑問ある部分や技術特徴に関するあいまいな記述について出願人にもう一度補正の機会をあたえるというのが目的。

   初審の実体審査をパスする確率が低下するとはいえ、特許査定の内容に何ら悪影響がないどころか、特許の質の向上を促していると知的財産局は強調。今まで出願人は審査を通らなければ、再審査を申請して審査のやり直しを求めてくる。所要時間はもっとかかり、コストも倍増する。しかし、今や知的財産局から送られてきた拒絶理由先行通知書と特許検索報告に従って特許請求範囲を見直せば、審査をクリアする可能性が高くなる。

2007年上半期の特許登録査定・拒絶査定件数

処理済案件

拒絶理由先行通知書或いは審査意見書送付件数

登録査定

8325

5975

(処理済案件数の72%)

2350

(同28%)

拒絶査定件数

登録査定件数

2105

(同25%)

3870

(同47%)

 特許出願審査の流れ
出願→
手続き審査入り→
公開前審査→
実体審査(初審)→
拒絶理由先行通知書および検索報告審査意見書の送付→
特許査定の場合、証書代および特許料の納付
(拒絶査定の場合、補充説明の申し出)→
補正が認められない場合、再審査請求→
証書代および特許料の納付→
公告および特許証書の交付
(2007.10)

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