商標不専用声明 非強制的へ? 権利範囲に影響 専門家が現状維持を
J080514Y2 2008年6月号(J106)
経済部知的財産局は商標法改正案に、商標の「不専用声明」(専用権放棄の声明)について現行の強制規定を出願人が自ら声明するかどうかを決める「自主的声明」に改めることを盛り込む方針だが、商標権者が主張しうる権利範囲に関わる問題なので、専門家や学識者に現状維持の意見が大勢を占める。
出願に係る商標に説明、機能或いは製品名が含まれた場合、出願と同時にこれについて出願人の専用ではないことの声明を行わなければならない。これを「不専用声明」という。例えば伝統的な炊飯器で有名な台湾メーカーの「大同」が「大同炊飯器」について電器を指定商品に登録する場合、「炊飯器」が専用でない声明を出せば、後で主張できる権利範囲は比較的大きい。逆に、「大同電鍋」の四文字を商標として登録すると、他人が「大同」を冷蔵庫に使用する場合、これについての商標権主張が制限されることになる。
年内に商標法改正案を提出する予定の知的財産局は、公聴会の場で改めて改正案について十分な議論を尽くすことにしている。
商標不専用声明に対する意見 | ||
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知的財産局 |
専門家・学識者 |
主張 |
自主的声明に改める。商標全体に識別力があるかどうかだけを審査し、声明の正確性や必要性については審査しない。 |
現行強制声明制度を維持すべきである |
理由 |
1. 企業が市場において実際に使用する状況によって商標の効力が及ぶ範囲を定める。 2. 審査の迅速化を図る。 |
1. 登録商標の権利範囲が不明確になるおそれがある。 2. アメリカやカナダでは商標当局から不専用の声明を促す通知が出願人に届く。政府の審査を受けておいたほうが無難だ。 |