07年のPCソフト違法コピー率、台湾は40% 史上最低
J080515Y3・J080514Y3 2008年6月号(J106)
ビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)が先日発表したソフトの違法コピー状況に関する「第5回世界ソフトウェア違法コピー調査」によると、2007年の台湾の違法コピー率は06年の41%を1ポイント下回る40%と過去最低で、経済部が設定した40%の短期目標が達成される結果となった。しかし、ソフト市場の規模が拡大したため、損害額はかえって1.8億ドルから2.2億ドルに増加すると推計している。オーストラリア、ニュージーランドを除き、台湾はアジアで日本(23%)、シンガポール(37%)に次いで三位。中国の違法コピー率は82%と依然に世界のワースト上位を占めている。
BSA台湾担当事務局は、「企業やサラリーマンの知的財産権に対する意識の向上が07年の違法コピー率の減少につながった。法律面でのリスクに対する認知度が高まったのは、政府による持続的なエンフォースメントが奏功し、民間と政府の努力が実る結果を出した。」と分析。
BSAの2007年のアンチ海賊版ソフトキャンペーンで、計400件の通報が寄せられ、そして年末の「サラリーマン自己保護」活動に30万人を超えるサラリーマンが参加した。また調査当局の取締り活動で市場価格9億元相当の海賊版ソフトを押収するなど大きな成果をあげている。
知的財産局の王美花局長は、「台湾の違法コピー率は40%に減少し、政府が「知的財産権保護の徹底に関する行動計画」で設定した段階的な目標の達成に成功した。」とコメントしている。
新興国におけるブロードバンドの普及やインターネットユーザーの大幅増などにより、世界全体の違法コピー率は前年度を3ポイント上回る38%と、また全体の損害額も前年比22%増の約482億ドルとなった。調査対象108カ国の中では、違法コピー率が減少した国が67カ国、増加した国が8カ国。知的財産権保護は世界各国に共通する重要課題であり、世界的な流れになっていることが分かる。
2007年の台湾の違法コピー率及び世界ランキングでの順位
*台湾の違法コピー率:40%
*アジア太平洋地域の違法コピー率:59%
*世界全体の違法コピー率:38%
*アジアでは日本、シンガポールに次いで3位
(ニュージーランド、オーストラリアを除く)
*世界ランキング:24位
アジア諸国の違法コピー率ランキング
アジア諸国の違法コピー率ランキング | |||
順位 |
国名 |
2007年 |
2006年 |
1 |
日本 |
23% |
25% |
2 |
シンガポール |
37% |
39% |
3 |
台湾 |
40% |
41% |
4 |
韓国 |
43% |
45% |
5 |
香港 |
51% |
53% |
6 |
マレーシア |
59% |
60% |
7 |
フィリピン |
69% |
71% |
8 |
インド |
69% |
71% |
9 |
タイ |
78% |
80% |
10 |
中国 |
82% |
82% |
11 |
インドネシア |
84% |
85% |
12 |
パキスタン |
84% |
86% |
情報源:BSA (2008.05)