知財裁判所、来月発足 年間処理事件数約3千件、八人の判事には重荷

J080515Y6 2008年6月号(J106)

 司法院によると、2004年~2006年の地方裁判所の新受事件数(知的財産関連)は3年で年間3,500件から4,500件に増えている。知的財産権訴訟の事件審理の迅速化を図るために知的財産裁判所を創設することになったが、開設初期に僅か八名の裁判官、九名の技術審査官を置くのでは、年間約2,500~3,500件の事件を処理しきれるか?知的財産裁判所は新受事件しか取り扱わず、地方裁判所に係属中の知的財産権訴訟は知的財産裁判所の開設により同裁判所に移送されることなく、引き続き原担当裁判官が処理することになる。しかし、地方裁判所の裁判官は新受事件を知的財産裁判所に移送するかどうかを判断することができる。

 司法院によると、ドイツの連邦特許裁判所は61名の法律的裁判官及び57名の技術的裁判官で構成され、年間処理事件数は約3千件。日本の知的財産高等裁判所は15名の裁判官、11名の調査官をおき、年間処理事件数は550件~600件程度で、台湾知的財産裁判所裁判官の平均処理事件数を大幅に下回る。八名の裁判官と九名の技術審査官でドイツと日本より多い件数を抱えると、審理のペースを遅らせるおそれがある。

 技術審査官については、知的財産局の特許審査官を起用する。技術分野でみると、機械分野4~5名、電子・電機・半導体分野2~3名、化学工業分野1名、バイオテクノロジー・医薬分野1名。

2004年~2007年の裁判所における知的財産訴訟の新受・既済事件数

年度

2004

2005

2006

200718

新受

既済

新受

既済

新受

既済

新受

既済

地裁

民事一審

384

511

401

546

530

291

286

高裁

民事二審

77

153

107

166

135

94

106

地裁

刑事一審

2,539

2,123

2,576

2,196

2,733

2,254

2,020

1,668

高裁

刑事二審

369

391

342

290

314

311

213

224

高等行政

裁判所

655

816

636

748

717

756

376

535

合計

3,563

3,791

4,218

3,742

4,476

3,968

2,994

2,819

(2008.05)

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