知的財産案件審理細則 公布施行

J080511Y6・J080509Y6 2008年6月号(J106)

 台湾における知的財産裁判所は民事、刑事及び行政訴訟三つの訴訟手続きを統合して取り扱う専門裁判所である。知的財産裁判所の発足により、新しい知的財産訴訟制度がスタートする。知的財産権関連民事訴訟の第一審、第二審は知的財産裁判所、第三審は最高裁判所が取り扱うことになる。知的財産権関連刑事訴訟の第一審は地方裁判所が審判を行うものとし、第二審は知的財産裁判所、そして第三審は最高裁判所。知的財産権関連行政訴訟は二級二審制をとり、一審は知的財産裁判所、二審は最高行政裁判所で審判を行う。

 知的財産案件審理法(以下、審理法)は2007年3月28日付総統令をもって公布された。民事、刑事及び行政訴訟に関連して、同法にはこれまでにない規定が盛り込まれた。例えば技術専門家の訴訟参加、営業秘密を保護するための秘密保持命令の導入、特許権・商標権関連行政訴訟における新証拠の提出を認めるなど。全文42か条からなる「知的財産案件審理細則」は2008年4月24日付けで公布され、審理法の施行に伴い施行することになっている。

 技術専門家の訴訟参加:新しい訴訟制度のもと、技術審査官がその専門的識見に基づいて事件争点の分析・整理を行い、裁判官に協力して技術上の争点を明らかにする。但し、技術審査官の意見陳述は証明すべき事実を認定する際の証拠として直接採用することができない。当事者は訴訟において証明すべき事実については各訴訟法で定めた証拠手続きに基づいて証拠を提出し、立証責任を果たさなければならない。

 秘密保持命令:営業秘密を保護することと訴訟をする権利との間の均衡性を図るため、裁判所は裁定(決定)が確定する前に、営業秘密に関連する部分の審理を一時的に停止することができる。裁判所裁定の主文及び理由に営業秘密を掲示することや、文書の添付資料とすることができない。営業秘密を保護するため、間接引用が望ましい。

 関連事務所管庁の訴訟参加:民事訴訟において知的財産権の有効性に関して裁判所は自ら判断をするにあたって、専門知識若しくは法律原則にまつわる争点について所管庁に意見を求める必要があるときは、裁定(決定)をもって知的財産関連事務所管庁(知的財産局)を訴訟に参加させ、独立した攻撃・防御方法の提出を命ずることができる。

 行政訴訟における新証拠の提出:商標登録の取消し・廃止若しくは特許権の取消しに関する行政訴訟で、当事者が口頭弁論終結前に取消し若しくは廃止に関する同一理由について新証拠を提出することを、審理法は例外的に認める。また知的財産局は新証拠について答弁書を提出しなければならない。但し、訴訟を長引かせるための新証拠提出の遅延については、裁判所は行政訴訟法に基づいてそれを却下することができる。(2008.05)

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