店頭市場に知的財産取引サイト 今年下半期に開設、外資誘致の一環

J080514Y8 2008年6月号(J106)

 台湾証券取引所及び店頭市場(台湾では「櫃買中心」という。GreTai Securities Market)はこの二年間、積極的に店頭企業を売り込み、企業説明会などを通じて外資誘致に取組んでいる。店頭企業の経営の質を向上させ、外国投資家の目を引きつけるため、店頭市場は知的財産サービスを提供するプラットフォームの立ち上げを進めている。上場企業・店頭企業がこのプラットフォームを通して素早く情報を掴み、必要な技術の研究開発チームを取り入れ、知的財産権の質と量を強化することができるようにすることが、台湾企業をアピールするのに欠かせないからである。

 今までの店頭登録・上場申請の審査で、殆どの申請企業は技術の研究開発力が比較的弱く、技術開発者或いはチームが不足することが分かった。店頭企業としての資格を満たしているものの、経営の質の更なる向上が必要であることから、店頭市場は店頭企業が相応しい技術者を網羅することが可能なプラットフォームを構築することにした。

 アメリカのシリコンバレーでは技術の研究開発で優れた人材を多数持っている台湾資本企業は少なくないが、上場或いは店頭登録を望まない会社もある。そこで研究開発チームを提供するだけの関係(技術系アウトソーシング)を築きたい会社と、人材の網羅或いは特許技術の購入を希望する台湾の上場企業・店頭企業が提携を結べる場所としての役割を果たせる、一種のチャンネルになれればという期待は大きい。

 この知的財産サービスサイトは会員制をとり、上場企業・店頭企業が基本会員になる。売り手が提供する情報に不実のないように審査を強化する。初期段階では、売り手がこのサイトで掲示する知的財産権の適法性や、これらの権利に関連する訴訟及び非訟事件が企業財務にもたらす影響を含めるすべての情報について初審を行う。

 同サイトの準備作業が半年以上も進んでおり、今年下半期のサービス開始を予定している。

上海と台湾の知的財産取引所の比較

名称

上海連合産権交易所

買中心知的財産交易平台

加入資格

会員制

会員制。台湾の上場・店頭企業が無料で買い手として加入することができる。売り手については制限しない。

取引対象

物権、債権、株主の権利、知的財産権

知的財産に限る。技術及び研究開発チームを含む

取引方法

協議、競売、入札その他の方式

株式交換又は価格協議

備考

知的財産権利者に対する融資サービス提供

なし

(2008.05)

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