個人資料保護法改正案が初審を通過 保護範囲・適用対象拡大 賠償金上限、10億元に引き上げるか?与野党協議

J080520Y9 2008年6月号(J106)

 「コンピュータによる個人資料(情報)処理保護法」改正案は5月19日、立法院司法及び法制委員会の初審を通過し、法律名を「個人資料保護法」に変更するほか、保護対象の拡大、非公務機関の業種制限の撤廃、そしてコンピュータで処理する個人情報に限らず、個人又は家庭活動の目的による個人情報の収集・処理又は利用を除き、公務機関を含めて如何なる自然人、法人その他団体による個人情報の収集・処理又は利用について適用する。

 また改正案では、商品販売業者は消費者に対して、例えばフリーダイヤル、返信用封筒の同封など個人情報が販売に利用されるのを拒否するルートを提供しなければならないと定める。消費者から個人情報が販売に利用されるのを拒否する意思表示があった場合、業者は直ちに個人情報を販売に利用することを止めなければならない。

 このほか、現行法では、公務機関だけが個人情報の正確性を確保する義務があると規定するが、改正案では非公務機関でもその保有する個人情報について更正、補充及び通知をする義務があるとしている。個人情報を違法に収集、処理又は利用した場合、その個人情報を削除し、違法収集を止めなければならない。違法収集行為については、「営利目的」という主観的要件を刑の加重の基準とする。司法院は個人情報の漏えいに対する賠償金の上限を10億元に引き上げることによって、個人情報を漏えいする悪質な行為を抑止する考えである。

 同法が1995年8月に施行されて以来、学校、病院、金融業、電気通信業、保険業等八業種並びに興信所、不動産仲介・マネージメント及び百貨量販店の合わせて11業種のみが対象なので、最近多発するテレビショッピング、ネット通販による個人情報漏えい事件については適用せず、法律の抜け穴が巧みに利用される格好となり、計り知れない損失を生じた。

 改正案の大半が初審を通過したものの、刑事責任、賠償総額、立証責任の簡略化、立法委員(国会議員)による個人情報の利用が免責の対象かどうかなどについてはなお合意に至らず、与野党協議で決着をつけることになった。(2008.05)

TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor