政府補助金で開発した技術の中国輸出　規制緩和へ

　中国市場に進出する台湾企業の技術水準を向上させようと、経済部は工業研究院など専門プロジェクトにより補助金を受けて科学技術の研究開発に携わっている法人を対象に、中国における台湾企業への技術移転を容認する考えを打ち出している。申請審査は個別に行うという。

　現行規定により、専門プロジェクトの成果は二年以内に台湾以外の地域に移転し、実施することができない。法人が政府の補助金を受けて研究開発した技術を中国を含む台湾以外の地域で実施しようとするときは、特別審査をクリアしなければならない。

　経済部技術処によると、専門プロジェクトの成果の中国企業への技術移転は絶対にありえず、国内産業の発展をもたらす効果があるかどうかについても審査のときに併せて考量するという。中国にせよ、中国以外の地域にせよ、台湾の産業界に損害を与えないことと移転の必要性を確認したうえで許可をする、と中国への技術輸出に対する懸念を払拭する狙いがうかがえる。

　今まで中国における台湾企業への技術移転を申請するときは、投資審議委員会と技術処の審査を受けなければならないが、今後は手続きを簡略にし、投資審議委員会の審査さえクリアすればよい。（2008.07）