米で特許侵害訴訟 LED業界が力合わせて 費用負担が1億元の大幅減
J080814X1 2008年9月号(J109)
台湾のLED(発光ダイオード)メーカー数社は今年2月、アメリカでLED特許権侵害で訴えられ、米国際貿易委員会(ITC)は特許権者の請求を受けて関税法337条により調査を始めると伝えた。訴えられたのは川上、川下産業を含めて内外メーカー34社。台湾メーカーは経済部工業局と工業研究院光電・半導体産業協会が設置した専門チームの協力を得て、資源を共有する形で原告側と和解交渉を進め、多くて七割程度の弁護士費用が省けるとみられる。
光電半導体産業協会によると、アメリカで訴訟を起こす場合、一流の法律事務所に依頼すれば、少なくとも500万ドルの弁護士費用を用意しなければならない。権利侵害関連製品の売上げの2~3%で概算して、一社が負担する和解金はおよそ数十万~数百万台湾元程度で、億単位の訴訟費用と比べると、やはり和解を選んだほうが得策であろう。
台湾LED産業チェーンが形成されており、2000年から生産高は世界一位となり、売上高は世界二位。2007年LEDの世界市場収入は66.78億ドルで、台湾は16.83億ドルと全体の25.2%を占めている。2010年には28.59億ドルにのぼる、と工業局は予測する。
ITCにより被告は40日以内に回答しなければならないので、専門チームは被告会社らの合意を得るため、防御方法や和解のリスク、所要コストの分析をアメリカの弁護士に依頼して問題解決を図ろうとしている。中立的な立場の光電半導体産業協会のまとめを通して企業が提供する資料や弁護士が集めた証拠をシェアするだけでなく、弁護士費用も分担できる。今後は、このモデルを特許訴訟に直面する他の産業にも運用してもらう、と工業局はいう。(2008.08)