駅で注目の大型ガラスアート イタリア芸術家の力作、利用料めぐり交渉中

J080801X3 2008年9月号(J109)

 台湾南部の高雄メトロ(高雄MRT)美麗島駅(美しい島)の天井を囲む、直径30メートルで世界最大級のガラスアート「ざ・ドーム オブ ライト(The Dome of Light)」はイタリア芸術家Maestro Narcissus Quagliataの力作であり、その著作の利用料(ロイヤリティー)をめぐり、高雄メトロはQuagliata氏と交渉を進めている最中である。

 150年の歴史を誇るドイツのガラス工房「Derix」と協力して作った「ざ・ドーム・オブ・ライト」はQuagliata氏が2000年にローマ聖堂のガラスアートを完成して以来の生涯最高傑作であり、直径30メートル、面積660平方メートルのグラスアートが世界最大の円形地下鉄駅、美麗島駅の天井を囲むように4500枚のステンドグラス取り付けられ、生死の流転、そして台湾の人々が自由・民主を追求する歴史を表し、火、水、土、光という四つのエリアがそれぞれ誕生、成長、栄光、壊滅を意味する。

 この「ざ・ドーム オブ ライト」のおかげで、8月末に開通する高雄メトロのオレンジ路線上の美麗島駅を訪れる高雄の市民たちは歓声を発し、フラッシュを光らせた。結婚を控えるカップルたちもこの美しさを結婚写真に収めようとスケジュールを調整しているという。高雄メトロは記念品の販売、人間文化芸術関連商品の開発を予定しており、ガイドを含めて参観料の請求も視野に入れ、企画を進めている。

 一方、高雄メトロには「ざ・ドーム オブ ライト」の所有権があっても、著作権はないため、著作財産権の利用にかかわる取引や商業活動は、元デザイナーのQuagliata氏の同意をえなければならない。Quagliata氏の作品を通じて、高雄に観光収入をもたらし、より多元的なマーケティング活動を通じて「ざ・ドーム オブ ライト」を人間文化芸術機能以上の商業活動、ひいては都市外交にも活用したいとしている。(2008.08)

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