台湾の特許産出力 今年は世界二位、IMDの発表で

J080812Y1 2008年9月号(J109)

 スイス・ローザンヌに本拠を置く国際経営開発研究所(IMD)2008年版世界競争力報告書(世界55カ国・地域を対象)によると、「特許産出力」の世界ランキングで2003年から2007年にかけては台湾が世界一位を五連覇していたが、今年は二位に順位が落ちた。一方、世界銀行の2007年「An East Asian Renaissance: Ideas for Economic Growth」報告書によると、近年東アジア諸国が台湾特許を引用する割合は米日をはるか遠くに引き離していることから、台湾は東アジア地域における知識の流通に影響を与えていることがいえる。

 特許産出力は、各国が許可した特許数を非政府機関研究開発人員の人数で割って得た数値である。台湾は2003年から五年間連続して世界一位。将来的には、台湾当局はさらに技術のイノベーション強化を重点施策と位置づけ、GDPに占める研究開発経費の割合を現在の2.6%から2012年をメドに3%に引き上げることにしている。行政院経済建設委員会が先日発表した統計を次のようにまとめる。
一.東アジア諸国の特許権取得及び東アジア地域における引用数が著しく成長。
 1.米特許商標局(USPTO)によると、2002年から2004年まで東アジア諸国の十万人当たりの特許数は0.72で、1990から1994年(0.14)の約5倍に成長し、同期間でラテンアメリカ諸国(0.08)及びヨーロッパ新興国(0.12)より高い。東アジア地域における特許数の成長は台湾と韓国による特許数が大幅に増えたためである。
 2.東アジア地域における特許技術は電子・情報通信分野に集中する。
3.特許引用数からみて、東アジア地域における米日特許の引用数は依然に最多を占める。東アジア地域における東アジア国家の特許の引用は1992年~1994年の1.7%(全体引用数に占める割合)から2002年~2004年の5.9%に増え、地域内のイノベーションと学習体制の重要性が増していることを反映している。
二.東アジア諸国が台湾特許を引用する割合が増加。
 世界銀行の特許引用割合「citation frequency」指標から、近年東アジア諸国による台湾特許の引用が増えていることがわかる。
1.韓国における台湾特許の引用割合は0.69で、日本の0.7と大して変わらず、アメリカ(0.46)の0.5倍。
 2.シンガポール特許における台湾特許の引用割合は1.63で、日本(0.6)、アメリカ(0.45)、韓国(0.93)より高い。
3.中国とマレーシア特許における台湾特許の引用割合はそれぞれ0.41、0.57、米日特許を引用する数を超える。香港における台湾特許の引用割合は0.4で、日本特許引用(0.41)とそう変わらない。(2008.08)

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