IT競争力指標 台湾は米に次いで世界二位、BSAの発表
J080919Z1 2008年10月号(J110)
ビジネスソフトウェアアライアンス(BSA)は18日、2008年のIT競争力指数を発表した。台湾の今年の順位は世界一と評価された研究開発環境がけん引し、日本や韓国、イギリス、オーストラリアなどを抜いて、去年の6位から2位に躍進した。
今回の調査はBSAの委託を受けて、経済イギリスの経済誌エコノミストが運営する国際競争力についての分析機関「エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU)」が66カ国を対象に「全般的ビジネス環境」(配点比率は10%)、「ITインフラ」(同20%)、「人的資本」(同20%)、「法的な環境」(同10%)、「研究開発環境」(同25%)、「IT産業発展へのサポート体制」(同15%)の六分野について採点したものである。
BSA副会長兼アジア太平洋地域責任者のJeffrey Hardee氏は台湾の上位入りについて、「台湾は配点比率が最も高い研究開発環境指標で1位と評価され、IT関連特許出願数も世界一、平均で2000人に1件のIT特許、100人当たりの研究開発経費は512ドルとアジアで日本(707ドル)に次ぐ」などが先進工業国を大幅にリードしている要因だと分析する。但し、理工学関係の学生の数が少ないため、人的資本指標では7位とやや低めの点数にとどまった。
しかし、台湾は「R&D環境」、「人的資本」が強い反面、「全般的ビジネス環境」(19位)、「法的環境」(27位)、「ITインフラ」(20位)、「IT産業発展へのサポート体制」(28位)の四分野が低迷し、全体の足を引っ張る要因になり、IT先進国としての課題を多く残した。これとは対照的に、首位のアメリカは各指標ともにトップファイブにランクインし、IT産業の均衡ある発展を実現している。(2008.09)
表7-1
IT競争力国別ランキング | ||||
2008年 |
2008年 |
国家 |
2007年 |
2007年 |
74.6 |
1 |
アメリカ |
1 |
77.4 |
69.2 |
2 |
台湾 |
6 |
65.8 |
67.2 |
3 |
イギリス |
4 |
67.1 |
66.0 |
4 |
スウェーデン |
7 |
65.4 |
65.2 |
5 |
デンマーク |
8 |
64.9 |
64.4 |
6 |
カナダ |
9 |
64.6 |
64.1 |
7 |
オーストラリア |
5 |
66.5 |
64.1 |
8 |
韓国 |
3 |
67.2 |
63.4 |
9 |
シンガポール |
11 |
63.1 |
62.7 |
10 |
オランダ |
12 |
62.9 |
情報源: BSA |
表7-2
07年~08年のIT競争力調査分野からみた台湾への評価 | ||||
調査分野 |
2008年評価 |
2008年順位 |
2007年評価 |
2007年順位 |
総合評価 |
69.2 |
2 |
65.8 |
6 |
ビジネス環境 |
87.6 |
19 |
88.0 |
11 |
ITインフラ |
52.0 |
20 |
51.3 |
18 |
人的資本 |
73.1 |
7 |
73.4 |
7 |
法的な環境 |
70.0 |
27 |
70.0 |
32 |
研究開発環境 |
74.3 |
1 |
54.8 |
3 |
IT産業発展へのサポート |
65.3 |
28 |
75.9 |
19 |
情報源: BSA |