新たな特許制度へ

J090119Y1 2009年2月号(J114)

 知的財産局で長いこと検討されてきた特許法改正案は間もなく提出する見通し。各界の意見を聴いてから立法院に送られることになっている。施行されて以来最大の調整が行われる見込みで、法案の骨子だけでも説明しておきたい。

改正案は次の五つのスケルトンになっている。
一.ハーモナイゼーションの推進:
 1.優先権証明書類の法定補正期限について、外国人出願の利便性を考慮して、現行の「出願日から4ヶ月以内に」から「最も先の優先日から16ヶ月以内に」に改める。
2.法定期限内に書類の補正又は特許料の納付をしない場合、故意に遅延した場合を除き、回復の申請を可能にする。
3.公共衛生の必要に応じて、WTO加盟国なら国家緊急危難その他の緊急事態が発生した場合や公共利益増進のための非営利的使用目的であれば、発展途上国と後発発展途上国が必要とする医薬品へのアクセスを特許権の強制実施を通じて容易にする。
二.産業のニーズにあわせて:
 1.動植物特許の解禁:遺伝子組み換えが行われた動植物に関して特許出願・登録を認める。
2.同一の者が同一の技術について同日に特許と実用新案登録出願を提出した場合、実用新案の登録が認められたときは、特許の実体審査の査定前に実用新案権の放棄を出願人に知らせ、いずれの権利を択一して行使してもらう。
3.「特許実施」という用語を「強制授権(強制実施許諾)」に修正するとともに、「合理的な商業条件」及び「一定の期間内に協議が達成できない」という強制実施の「事由」を「前提条件」に改める。また競争制限に違反し、公平取引委員会の処分を受けた者は、処分が「確定する」のを待たずに「強制授権」の請求ができるようにする。
三.特許制度そのものについて:新式様専利(意匠)の名称を「設計専利」に修正するほか、部分意匠、組物意匠、画面デザインといわれるアイコンとグラフィカル・ユーザー・インターフェイス(Graphical User Interface, GUI)に係るデザインの意匠登録出願を認める。
四.権利救済:
 1.特許権利侵害に関連する主観要件、類型、賠償請求範囲及び表示について大幅な改正が行われる。
 2.間接侵害については、各界の意見を聴いてから決める。
五.その他:
 1.外国語訳本で出願日を取得する種類に関する制限は今のところないが、今後は何らかの制限を加える。
 2.無効審判に関し、同一出願における異なる技術について請求することができ、必ずしも出願に係る技術の全てに請求するとは限らない。知的財産局は複数の無効審判請求案件をまとめて審査することができ、また審決を一つにまとめることもできる。
3.特許料の追納は月ごとに割合に応じて納めさせる。(2009.01)

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