EUへの新植物品種出願手続簡素化で合意 農業委員会と欧州植物品種庁

J090305Y1・J090304Y1 2009年4月号(J116)

 欧州植物品種庁(CPVO)バート・キューイット総裁は先日、台湾を訪問した際、行政院農業委員会(農林水産省に相当)と胡蝶蘭品種特性検定試験報告や品種権保護協力範囲の拡大について協議した。双方は検定試験の重複回避及び品種権出願に要する時間の短縮と費用の軽減について合意を達成し、台湾胡蝶蘭がより早くEUで保護を受けられるようになり、育成者権の早期付与によりわが国らん産業の国際競争力の向上に寄与する。

 世界各国における植物品種権に対する保護は属地主義を取っているのに鑑み、EU等わが国胡蝶蘭の種苗の輸出国における品種権出願が格別重要である。2007年3月からわが国植物の品種の育成者は効力が27の加盟国に及ぶEUで植物品種権を出願することができ、台湾とEUのらん農家が品種権の行使により、生産と販売のアライアンスを組み、両国間貿易を活発化させている。わが国は過去2年間EUで50の胡蝶蘭の新品種を出願しており、出願数はEU以外の国のなかで一位。そしてわが国2008年の胡蝶蘭のEUへの輸出高は新台湾ドル3億元を超え、2005年の3倍にあたる。

 EUなどで植物品種権を出願することが潜在的利益が相当なものになると見込まれているが、台湾の胡蝶蘭の育成者の多くは国外への品種権の出願をしようとしない。出願に必要な時間は2年以上かかり、さらに出願費用は10万元に達することが海外への出願意欲の低下の要因とみられる。ビジネス周期が比較的短い胡蝶蘭品種について早期に保護を受けられ、かつ出願コストが軽減できる新しい植物品種権保護制度を構築するように、農業委員会は積極的に欧州植物品種庁と交渉を進めている。品種特性検定報告書の相互採用により、台湾とEUで同時に品種権を出願する胡蝶蘭農家は1年以上の審査期間の短縮及び一品種につき25,000元の出願費用の軽減ができ、世界でもトップレベルの台湾とEUの協力関係が強化されることによって、新品種の国際的な利用がいっそう進むものと期待される。(2009.03)

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