労働者訴訟扶助適用対象・範囲拡大 個別労働者に補助金1~6万元

J090303Y9・J090302Y9 2009年4月号(J116)

 世界的不況のため、工場閉鎖、廃業、無給休暇その他労働者の権利に影響する労使紛争が激増している。労働者の権益を十分に保障し、法的手段による救済を求めるのに協力するため、労働者委員会は先日、6000万元の予算で法律扶助基金会と連携して、3月1日から「労働者訴訟を直ちに扶助する専門プロジェクト」を展開し、現有の労働者訴訟扶助体制を強化し、労働者の権益を有効に確保することを発表した。

 同専門プロジェクトにより、労働者が次のいずれの場合に該当し、訴訟を提起するときは、労働委員会の法律扶助を申請することができるとなっている。
1.労働基準法による労働契約紛争の終止。
2.労働災害に遭遇したにもかかわらず、雇い主が法により補償又は賠償をしない場合。
3.雇い主が労働者保険条例若しくは就業保険法により保険に加入せず、又は給与を実際より低く申告したため、労働者に損失を与えた場合。
4.労働組合理事・監事及び会員代表、労組の発起人若しくは設立準備委員会会員が不当に解雇され、労使争議処理法により調停が成立しない場合。
5.雇い主が労働者安全衛生法に違反することによって、死亡又は重傷の労働災害が起き、刑事訴訟を提起した場合。

 この専門プロジェクトはこれまでの法律扶助の範囲及び対象を大幅に拡大する。労働者の法定権利が損害を受け、訴訟を行うときは、労働者委員会は労働者のために弁護士を委任し、弁護士費用を先払いする必要がないため、比較的財力の弱い労働者にとって大きな助力になるはずである。また労働者を対象に提供する関連法律相談サービスは、全国各地で拠点があり、専門弁護士が常駐する財団法人法律扶助基金会に依頼して行う。

 訴訟補助範囲及び対象の拡大により、恩恵を受ける労働者は年間2000人に達する見込みで、今まで補助を受けられる労働者が年間150人程度に比べて大違い。労働者が法的手段をとって救済を求めることに大いに貢献するとみられる。

 労働者委員会のまとめで、去年の労使紛争は2万4500件で、前年比24%増となり、解雇費用の未払いや労働契約紛争が大半を占める。大量解雇の通報件数は283件で、影響を受けた人数は6割の大幅増。

 この専門プロジェクトを通じて、労働者は一審につき弁護士費用4万元、最高6万元の補助金を受けることができる。労働者が共同申請の場合、一審につき最高20万元までの補助金を申請できる。その他、保全手続の申立は一回につき最高3万元の弁護士費用の補助、法律書類作成や督促手続は最高1万元、強制執行申立は最高4万元の補助金を受けられる。法律扶助基金会によれば、同基金会で扱った労使紛争事件の勝訴率は十件に七件、つまり70%を誇る。年間2000件程度を受理している。

 労働者委員会における労使紛争訴訟補助案件は今まで七年間でわずか703件にとどまり、平均で1年当たり100件以下。民事訴訟一審でいうと、通常半年がかかる。








労働基準法による労働契約紛争の終止
雇い主が労働者のために労働保険又は就業保険に加入せず、又は保険加入の際に申告した給与が実際より低い場合
労働者は労災により負傷、病気、肢体不自由、死亡になり、刑事訴訟を起こした場合
労働者が不当に解雇された場合
労働者が労災に遭ったにもかかわらず、雇い主が補償しない場合
雇い主が大量解雇法、性別(男女)平等工作法に違反した場合



訴訟費用:個別労働者一審につき4~6万元、共同申請の場合は10~20万元
保全手続申立:弁護士費用一回につき最高3万元
督促手続申立:弁護士費用一回につき最高1万元
強制執行申立:弁護士費用一回につき最高4万元
法律書類作成申請:最高1万元
(2009.03)

TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor