エルメスの贋バッグ販売、知的財産裁判所 元店員に2.5億元余の支払命じる 商標権侵害、一個人への賠償金命令 過去最高

J090411Y2・J090410Y2 2009年5月号(J117)

   ケリーバッグなどで世界的に名を知られるフランスのブランド「エルメス(Hermes)」の元店員は四つの贋バッグを販売したことで告訴された事件で、知的財産裁判所は新聞紙への謝罪広告掲載とともに、エルメス・インターナショナル社 (Hermès International, S.A.)に2億5,625万元の損害賠償金を支払うよう命じた。商標侵害事件で、一個人への賠償金命令としては過去最高である。詐欺の罪を問われた刑事裁判で、二審で一審の判決「懲役6ヶ月、執行猶予三年。罰金でもって刑に換えられる」が維持され、確定した。

   この判決について、エルメス台湾支社は「うれしく思う。不法業者への大きな打撃、大勝利である」とコメント。エルメスは去年、フランスでオークションサイトの「イーベー(eBay)」をコピー品販売で告訴し、勝訴したが、賠償金はわずか3万ユーロ。

   権利を侵害された業者は法理によりコピー品を製造或いは販売した人に対し、損害賠償金として侵害物品価格の500~1500倍を請求することができる。エルメスの元店員は四つのバッグをあわせて205万元で売りさばいた。平均で一つの単価51万2,500元で、裁判官は最低の500倍で計算し、2億5,625万元の額になった。

   台湾エルメスによると、元店員が5年前に会社を離職したときに顧客情報を持ち出し、顧客にニセモノの鰐革バーキンバッグ等を売り込んだ。2004年12月、元店員はフランスでエルメス商標に似たオレンジ、ブラウン色のバッグ一つずつを購入し、エルメスバッグと偽ってある女性が経営するブティックで置いてもらった。その後、それぞれ26万元、22万5千元で売った。2005年6月、元店員はさらにイタリアから緑色、ピンクの鰐革製バーキンバッグを一つずつ購入し、単価80万元、あわせて160万元の価格で他人の店で陳列し、その後総額180万元で販売した。

   特に注意に値するのは、本件は商標権侵害事件で一個人への賠償金支払命令としては過去最高だが、巨額賠償金を命じされたはこの一件だけではない。過去に桃園地方裁判所も海賊版ソフトを販売した男性に7.4億元の賠償金支払いを命じたケースがある。またある会社も海賊版ソフトを販売していたことで、高裁から2.4億元の賠償金命令が出ている。巨額賠償金命令で知的財産権侵害者への威嚇効果を高める狙いがうかがえる。(2009.04
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