証券投資者等保護法改正、保護機構による提訴は訴訟費用を軽減 訴訟目的額3千万超過の部分は裁判費用の支払を一時的に免除

J090429Y8・J090428Y8 2009年5月号(J117)

   「証券投資者及び先物取引者保護法」改正案はこの間、立法院を通過した。同改正案は三つのポイントがある。保護機構に株主代表訴訟権と裁判所に解任の裁判を提起する権限があること、及び小口紛争事件の擬制調停、保護機構の団体訴訟費用の負担軽減である。同法は2002年7月17日に公布、翌年の元旦から施行する。今回の法改正は経営陣による背任や会社資産の使い込みを防ぎ、調停及び集団訴訟の機能を発揮し、市場において相対的に劣位に立たされる投資者及び取引者の権利を保障することを目的とする。

   改正案では、業務遂行にあたって、上場企業・店頭企業の取締役若しくは監査役に会社経営に重大な損害を与える行為、又は法令・定款に違反する事項があることを発見した場合、会社の監査役に対し取締役を相手に、又は会社の取締役会が監査役を相手に訴訟を提起することを請求する権限を保護機構に与える。また、裁判所に会社の取締役若しくは監査役の解任について裁判所に裁判を起こすことができ、会社法中の株主持ち株率に関連する規定の制限を受けない。裁判所は保護機構が提起した訴訟を審理するときに、専門法廷を設立し、又は専門担当者を指定して処理に当たらせることができる。

   小口証券投資家若しくは先物取引に関する紛争事件の処理の強化について、当事者の一方に正当な理由なくして出頭しないときは、調停委員は調停方案を提出し、擬制調停の方法を定めることができる。

   また、保護機構の負担を軽減するため、保護機構が起こす集団訴訟の裁判費用の徴収基準について、訴訟目的額若しくは価額が3000万元を超える場合、3000万元を超過する部分は一時的に裁判費用の支払を免除し、さらに関連執行手続に必要な費用についても一時的免除の適用がある。(2009.04

(訳注)証券投資者及び先物取引者保護法

第10条ノ1

   保護機構が前条第1項業務を行うときに、上場企業若しくは店頭企業の取締役若しくは監査役が業務執行にあたり、会社に重大な損害を与える行為又は法令若しくは定款に違反する重大な事項があることを発見した場合は、次の規定により扱うことができる。
一.会社の監査人が会社のために取締役を相手に訴訟を提起し、又は会社の取締役会が会社のために監査役に訴訟を提起することを請求する。監査役若しくは取締役会は保護機構の請求があった日から30日以内に訴訟を提起しないときは、保護機構は会社のために訴訟を提起することができ、会社法第214条及び第227条が第214条を準用する制限を受けない。
二.裁判所に会社の取締役若しくは監査人の解任を訴えるときは、会社法第200条及び第227条が第200条を準用する制限を受けない。
  
会社は既に法により審計(審査)委員会を設置した場合、前項においていう監査役は審査委員会又はその独立した取締役の委員をいう。
  
第34条から第36条までの規定は、保護機構が第1項規定により訴訟、上訴又は保全手続、執行手続を申し立てる場合に準用する。
  
会社は故があって上場若しくは店頭における取引を終止した場合、保護機構は当該会社が上場若しくは店頭取引における期間に第1項に定めた事情があるときは、なお前三項規定の適用がある。

第25条ノ1

   小口証券投資若しくは先物取引紛争事件に関し、証券投資家若しくは先物取引者が保護機構に調停を申請する場合、相手方が正当な理由なしに、調停期日に出頭しないときは、調停委員は状況を斟酌して、申請者の請求又は職権により調停方案を提出し、並びに当事者に送達することができる。
   前項の方案は、調停委員三人以上の出席、並びに出席した調停委員の過半数の同意を経て、また第25条ノ2第1項に定めた期間及び法定期間に同意を表示しなかった法律効果を記載しなければならない。
   第1項の送達は、公示送達の規定を適用しない。
   第1項の小口証券投資若しくは先物取引紛争の限度額は、保護機構が定め、主務官庁に査定を申し出る。

第35条

   保護機構が第28条により訴訟若しくは上訴を提起したときは、その訴訟目的額若しくは価額が新台湾ドル3000万元を超過した場合、超過部分は暫時に裁判費用の納付を免除する。他方当事者が上訴を提起し勝訴が確定した場合、予め納めていた裁判費用からその負担すべき費用を差し引いてから還付する。
   前項の暫時に納付を免除する裁判費用は、第一審裁判所は当該事件が確定した後、職権により訴訟費用を負担する一方の当事者から徴収することを裁定しなければならない。但し、保護機構が負担すべき訴訟目的額若しくは価額が新台湾ドル3000万元を超過する部分の裁判費用は、徴収を免除する。
    保護機構が第28条により起訴し又は保全手続を申立て、執行名義を取得して強制執行を申し立てるときに、その執行目的額若しくは価額が新台湾ドル3000万元を超過する場合は、超過部分は暫時に執行費用の納付を免除し、当該暫時に納付を免除される執行費用は執行所得から差し引いて返還する。

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