労働関連二法案 閣議決定、水道・電気供給・証券金融業のストライキを制限 労使紛争発生時 所管庁は労働委員会による強制仲裁を要請可能

J090417Y9・J090416Y9 2009年5月号(J117)

   行政院会議は16日、労働関連二法案を閣議決定した。軍人・公務員・教育関係者を除き、一般の業種には全てストライキ権がある。ただし、水道・電気供給及び証券金融関係事業の証券取引所、先物取引所等のストライキは一定の条件が付いている。つまり最低のサービスを提供しなければストライキが認められない。電気通信事業はストライキが制限される業種に指定されていないが、110番、119番、165番(振り込め詐欺専門相談ダイヤル)、112番等の基本ダイヤルは必要なサービスを維持したうえでのストライキは認める。

   労働者委員会主任委員の王如玄女史によると、「労資争議処理法」(労使紛争処理法)改正案はストライキの手続きを簡略化し、労働組合の組合員が直接、無記名投票かつ全員の過半数の同意があれば、ストライキできる。会員大会を招集して決議する必要はない。

   去年の労資訴訟は約2万5000件あり、そのうち九割は権利事項に関するもの。今まで訴訟で解決するのがほとんどで、時間がかかる。訴訟より仲裁のほうが速やかに解決できる。企業は労働者を不当に解雇した場合、訴訟又は労働者委員会の裁決で解決することができる。

   今回の労資争議処理法案では、教師、国防部及び所属機関、学校の労働者のストライキは禁止すると定める。国民の生命安全、国家の安全又は重大な公共利益に関する事業、例えば、水道サービス(水道局)・電力会社、燃料供給、病院、証券取引所、先物取引所、店頭市場、集中保管結算所(短期証券の集中保管・決算)、財金情報株式会社(財政部と金融機関が共同出資で設立。金融機関情報の処理が主な業務)等はストライキを制限される事業で、労使は最低限のサービス条項を定めなければ、労働組合はストライキ権を行使してはならない。

   改正案により、如何なる事業も紛争が起きた場合、調停後、ストライキ前に当該事業所属主務官庁は労働者委員会に強制仲裁を要請することができる。仲裁の結果は法律上の効力がある。即ち、各政府機関はこれまで以上にストライキ手続に介入する権利が与えられることになる。強制仲裁になった場合、もし企業側が勝訴すれば、労働者側のその後のストライキは違法になる。上記強制仲裁は重大な利益に悪影響をもたらす等の場合に行われる。将来的には、イギリスを手本に、「経済労働市場委員会」を設け、各産業の当時の商品市場について強制仲裁が必要かどうかについて評価を行う。

   「労働組合法」及び「労資争議処理法」はそれぞれ1929年、1928年に施行して以来、大幅な改正は行われず、多くの規定は今の社会・経済環境にそぐわないので、良好な労使関係の構築には法改正が求められる。

労資争議処理法改正案のポイント

条文

旧案

新案

影響

第54条

国民の身体安全に影響する事業、例えば病院、水道・電気・燃料供給事業は「必要サービス条項」を定めない限り、ストライキができない。

証券取引所、先物取引所、店頭市場、集中保管結算所、財金情報会社を新たに加えいれる。

金融・証券機関のストライキを制限する。

第55条

労働組合及びその組合員はストライキの目的を達成するための合理的な範囲内での行為は集会デモ行進法の規定を適用しない。

正常な手続をとったストライキの場合、警察機関にストライキを申請する必要がなくても、集会デモ行進法によって規制される。

ストライキは集会デモ行進法によって規制される。

第25条

労資紛争は調停を経て失敗に終わった場合、主務官庁は状況をみて、職権により仲裁に付することができる。

目的事業主務官庁は労働者委員会に強制仲裁に付することを要請することができる。

目的事業主務官庁がストライキに介入する権利が付与されることになる。

第54条追加

 

110番、119番等専門ダイヤルは最低限のサービスを確保できれば、必要サービス条項を予め定めなくてもストライキが可能である。

 

出所:労働者委員会                (2009.04
TIPLO ECARD Fireshot Video TIPLO Brochure_Japanese TIPLO News Channel TIPLO TOUR 7th FIoor TIPLO TOUR 15th FIoor