特許権間接侵害規定 今回の改正案に盛り込まない方針、知財局

J090720Y1・J090806Y1 2009年8月号(J120)

 経済部知的財産局は7月15日から二日間の日程で「特許権の間接侵害に関する国際セミナー」を開催し、アメリカ、日本及びドイツの専門家や実務者を招いて、わが国知的財産裁判所裁判官、学識者及び特許訴訟実務に長年従事してきた弁護士、産業界とディスカッションをおこなった。各国特許法中の間接侵害関連規定及び司法実務について意見を取り交わし、知的財産局で検討中の特許権間接侵害規定の参考とする狙いである。

 特許侵害について、各国特許法はほとんど権利侵害者が特許に必要な技術特徴を全て実施することを要件としている。特許を間接に侵害する行為に規制を加えなければ、他人が特許の重要な部分だけを実施するが、実際には十分当該特許権を侵害したことになるかもしれない。ところが、間接侵害規定がないために、規制できず、或いは民法によって処罰するしかない。この問題を解決するため、米、日、独、英、仏等の国々の特許法には間接侵害関連規定が設けられている。韓国も1995年に定めた。

 わが国現行特許法は間接侵害規定がなく、民法の権利侵害共同行為(不法行為)に関する規定を適用している。しかしながら、民法第185条の権利侵害共同行為の規定の構成要件は比較的緩めで、これをもって特許の間接侵害を適用するには必ずしも明確ではない。したがって、知的財産局は特許法に間接侵害関連規定を新設する必要があると考えている。

 ところが、長い時間をかけて各界から意見を聞いた結果、知的財産局はいきなり今回の特許法改正案に盛り込まない方針を示した。その豹変ぶりには困惑の極まりである。最初から間接侵害規定を盛り込む方向で検討してきたが、なぜ急ブレーキをかけたのか?その理由として挙げられたのは、知的財産裁判所が開設されて一年しか経たないし、わが国産業が転換期を迎えているし、制度導入初期に適用上の疑念により権利濫用或いは濫訴の状況が生じるのを避けるため、知的財産裁判所で事例判決の蓄積をまって更に立法の必要性を検討するのが望ましいというのである。とはいえ、間接侵害関連規定を特許法に明確に規定するのは世界の主流となり、輸出依存の台湾産業にとって、もっと注意を払わなければならない、と知的財産局は今回の特許法改正案に間接侵害規定を盛り込まない方針を示したニュースリリースでこう述べる。2009.07/2009.08

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