品種権・商標権を中、台会談の議題に、台湾農業当局

J090704Y2 2009年8月号(J120)

 中国との農業交流が盛んになるにつれ、台湾の農産物は中国の業者による権利侵害の脅威にさらされている。農業委員会(農水省に相当。農業関連事務を司る中央官庁)によると、枝豆を例に、台湾はすでに日本、ベトナム、タイなどの国で「品種権(育成者権)」を出願し、登録を受けている。同じ品種について、台湾からのものでなければ、輸入が制限される。台湾の農産物を保護するため、同委員会は「品種権」、「商標権」を中国と台湾の二者協議(会談)の議題にするよう努力しているという。

 阿里山茶、凍頂ウーロン茶、古坑(地名)コーヒー等々台湾ならではの農産物は二年程前に中国で横取され、商標として不正登録されたことが発覚し、台湾農家の間で騒ぎになり、波紋が広がっていた。農産物の知的財産を保護するにはなにより生産技術と品種である。生産技術を知る農家が中国へ行けば、生産技術がそこに流出するおそれがある。種苗も入手しやすい。台湾の自然環境と天候で開発した種苗を他の土地で育てても同じ農産物が生まれるとは限らない。

 台湾産の枝豆は一度中国産に日本市場シェアを奪われたことがあった。しかし、中国産枝豆は品質が台湾産より劣り、農薬残留など食品安全性の問題も残る。

 台湾農産物にとって最も重要なのは、新品種を如何に他国への横流しから守るかである。例えば、高雄(台湾南部)農業改良場は日本、ベトナム、タイ等で枝豆の育成者権を出願している。DNA鑑定で当該品種がどこのものかを特定することができる。台湾の品種でなければ、輸入が禁止されることになる。

 最近、中国との会談で知的財産権保護が話題の的になっている。農業委員会は品種権と商標権を二者協議の議題にしたいと交渉を進めている。合意が得られれば、台湾農産物の生産技術を保護することができ、中国の業者も台湾の商標権を横取することができない。(2009.07

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