投資者保護新制度 8月1日からスタート 投資者保護センターに株主代表訴訟権や取締役・監査役解任請求権を授与

J090729Y9・J090728Y9 2009年8月号(J120)

 証券投資者及び先物取引者保護法は2003年1月1日に施行され、同年、同法により投資者及び取引者の諮問や苦情相談を受け付ける専門保護機構を設立した。2009年5月20日、同法の一部が改正され、7月27日付の行政院令で8月1日から施行することになった。今回の法改正のポイントは、保護機構に株主を代表して訴訟をする権利、裁判所に起訴して解任を請求する権利、小口投資紛争事件の擬制調停及び保護機構団体訴訟関連費用負担の引き下げなど。

 小口証券投資或いは先物取引紛争の擬制調停の額の限度は、保護機構が定め、行政院金融監督管理委員会に報告して認可をもらうことになっている。証券投資或いは先物取引は通常の消費と性質が異なり、かつ投資或いは取引の金額は比較的大きいことを考量して、法改正の趣旨を確実なものにし、擬制調停の機能を発揮させるため、小口証券投資或いは先物取引紛争の金額は新台湾ドル(以下、同じ)100万元以下とする。

 今回の法改正は、保護機構が過去に団体訴訟を起こした実務について検討することがきっかけになった。このほか、コーポレートガバナンスの推進及び株主行動主義の導入にあわせて、裁判を起こし、会社に重大な損害を与えた取締役・監査役の解任を裁判所に請求する権利を保護機構に与えることによって、適時に不適任な取締役・監査役を解任し、会社の経営陣(管理職の幹部)に忠実義務を果たすことを促していく。

 また、小口証券投資或いは先物取引紛争事件の擬制調停について、100万元以下の紛争事件の双方当事者が調停の期日にちゃんと出頭して協議することを促す。正当な理由がなく出頭しない場合、調停委員は解決方案(解決策)を提出する権限がある。当事者がその方案に同意しない意思表示をせず、又は調停委員が改めて調停期日を定めても、正当な理由無しに出頭しない場合は、当該方案によって調停が成立したとみなす。

 さらに、保護機構の団体訴訟の費用負担を軽減するため、訴訟目的額或いは価額が1億元を超える部分は裁判費用が免除される現行の規定を改め、保護機構が今後同法第28条により訴訟又は上訴を提起したときは、その訴訟目的額又は価額が3000万元を超えた場合、超過部分については暫時、裁判費用の納付が免除される、というようにする。納付が暫時免除される裁判費用について、第一審裁判所は当該事件確定後、職権により訴訟費用を負担する当事者から徴収することを裁定(決定)しなければならない。但し、保護機構が負担すべき訴訟目的額又は価額が3000万元を超過する部分の裁判費用は徴収をしない。保護機構が第28条により起訴し又は保全手続を申し立て、執行名義を取得して強制執行を申し立てるときは、その執行に係る目的額又は価額が3000万元を超えた場合、超過部分は執行費用の納付が暫時免除される。2009.07

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