台湾新幹線700T先頭車の立体商標登録 最高行政裁「独、日、仏の高速列車先頭車と大して変わらず、識別力あるとはいえない」

J090807Y2 2009年9月号(J121)

   台湾高速鉄道公司(以下、台湾高鉄)は2005531日に日本新幹線を雛形にした「700T先頭車両」を標章に、カバン、手提げ、トランク、茶碗、衣類、パンツ、ストライプ、模型、玩具、飲み物及び食べ物の飲食サービスなど数十類の商品又は役務への使用を指定して、知的財産局に立体商標登録出願をしたが、拒絶査定を受けた。同社はこれを不服として、更に訴願手続、行政裁判を起こした。最高行政裁判所は先日、係争商標に識別力が欠如することを明示し、同社の敗訴が確定した。

   これを受けて台湾高鉄は、「その700T先頭車は同社の企業イメージカラーとなったオレンジと黒と呼応し、シンポルとなったはずである。なのに、知的財産局、経済部訴願審議委員会、台北高等行政裁判所、最高行政裁判所は相次いでその主張を退けた」とコメント

    行政裁判所は判決で、台湾高鉄の係争立体商標は高速列車の先頭車の一般的な形をしていて、社会通念上、商品又は役務を識別する標識とするのは容易ではない。また、先頭車の立体的な造型は各国の鉄道会社が通常採用する形であって、日本の新幹線シリーズと大して変わらず、ドイツ、フランス、中国の磁気浮上式鉄道の列車もほぼ同じデザインを採用していることから、特殊性がなく、識別力はあるとはいえない、としている。(2009.08
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