会社名義で責任者が利益を得た場合 得分は会社に返上、議員立法で会社法改正

J091013Y8 2009年11月号(J123)

 野党の民進党立法委員(国会議員)は議員立法で会社法改正案を提出している。第23条に、会社の責任者には「帰入権」があることを追加し、会社名義で外部で利益を得た場合、その得た利益は会社に返上しなければならないように規定する。また第27条に全ての上場企業・店頭企業の取締役・監査役は同一人であってはならないことを追加することによって、監督・けん制の機能を徹底して追求し、市場経済秩序を整理整頓する。

 この改正案は既に与野党議員34人の支持を受け、先日立法院会議で一読(法案成立には三読という手続を経る必要がある)を通過し、現在経済委員会で審議入りしている。現行会社法第23条の「責任者忠実義務の違反」は損害賠償責任のみを負い、これは英米法及び日本商法の「会社と取締役間の委任関係」を受け継いでいる。

 提案議員によると、会社の責任者は会社名義で外部で利益を謀り、その得た利益を自分の懐に仕舞い込んだり勝手に資産を売却したりなどする場合、株主はその不当利得について「帰入」(会社に返上すること)を主張することができなくなる。したがって、第23条を改め、会社法第209条、民法「委任」章の「株主帰入権」のコンセプトを会社の責任者に取り込む。責任者が会社名義で不当に利益を得た場合、その利得は会社の所得と見做すべきである。但し、立証が困難なため、その利得が生じて1年を超えた場合、この規定に拘束されない。

 一方、取締役と監査役が同じ人の会社もあるので、そうすると監査役としての監督・けん制機能が十分に発揮できない。したがって、第27条に、政府又は法人が公開発行会社の株主であって、自然人代表を取締役又は監査役に指定して権利を行使させるときは、主務官庁の認可を受けた場合を除き、この代表は同時に会社の取締役又は監査役に当選し又は担当することができない。(2009.10)

会社法改正案

改正条文 改正内容 立法趣旨
第23条 会社の責任者に「帰入権」を持たせる ● 責任者が会社名義で外部で利益を得た場合、賠償責任を負うほか、その得た利益を自分の懐に仕舞い込んだり勝手に資産を売却したりするなどを避けるため、会社に返上しなければならないように定める。
● 立証が困難で、会社が無期限に追及するのを避けるため、一年を超えた場合はこの限りでない。
第27条 取締役か監査役のいずれを択一して任ずる。 ● 今は取締役と監査役は同じ人でもかまわない。しかし監査役のけん制効果を確実なものにするため、取締役と監査役は同じ人が任ずることができないようにする。
● 全ての上場企業・店頭企業について適用し、市場経済秩序を整理整頓する。

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