地理的表示の横取り商標登録が横行 中国当局は規制強化をアピール
J091029Z2 2009年11月号(J123)
今年9月まで、台湾企業の中国における有効な登録商標は62,925件に達する。台湾の農産物・特産物は海外にも名を知られているので、中国での横取り登録が深刻な問題となっている。中国台湾事務弁公室(オフィス)スポークスマンによると、中国当局は台湾企業の合法な権利を確保するため、台湾商標への保護を強化していきたいという。これまで、台湾企業の商標で、すでに「旺旺」、「捷安特」、「統一」、「哥弟」、「BENQ」、「名典」、「自然美」、「宏碁」が馳名商標(著名商標)と認定されている。
台湾農産物・特産物の産地は中国で横取りされ不正に商標登録されていることが相次いだことから、中国国家工商総局は2006年から、「台湾果物の産地偽装の制止と査察・処罰行為に関する通知」と「台湾農産品商標権に対する保護強化と両岸農業協力促進の実施に関する意見」を発し、商標審査、異議申立に関する裁定、争議裁定において、不当な手段で台湾農産物などの著名商標が不正に登録される違法行為を法により制止し、台湾企業の権利確保を図ろうとする努力をアピールする狙いがうかがえる。
農業委員会(農水省に相当)は先日、検索を依頼して公布した中国商標登録資料から、台湾農産物・特産物が横取りされ、不正に商標登録されているケースは60件に近い。(2009.10)