台湾の蘭農家は度々育成者権侵害に遭遇 DNA品種鑑定技術が国際水準に達する

J091120Y5 2009年12月号(J124)

 貴重な蘭の品種を保護するため、蘭の品種鑑定技術交流セミナーは19日、高雄大学で開催された。フランス、日本、オランダ、EU及び国内の学者が一堂に会し、DNA品種鑑定新技術を検討し、「品種鑑定分子マーカーシステム」を推進するという認識を共通した。

 DNA鑑定の応用はますます広くなり、犯罪証拠収集、親子関係の確認だけでなく、貴重な蘭の品種が侵害されたかどうかをスピーディーに判定することもできる。

 農業委員会(農林水産省に相当)の委託を受けた高雄大学が外国の専門家を招いて最新の「分子マーカー(分子マーキング)」技術の応用を発表し、水稲、チューリップ、ジャガイモをはじめとする農作物の品種鑑定に活かし、さらに植物品種性状検定及び権利侵害鑑定技術の国際交流拠点を立ち上げることに取組んでいる。

 胡蝶蘭王国といわれている台湾の胡蝶蘭の年間輸出量は多いが、蘭農家の育成者権は度々侵害される危機にさらされている。台湾など世界各国は種苗法或いは特許法で保護するものの、仲裁機関は権利侵害事件を受理しても疑似権利侵害品種を培養し、開花を待って、花の形、色、香りなど20種余りの性状について対比した後、権利侵害要件を満たすかを判定する。例えば、蘭の場合、種苗から花に成長するまで3年かかり、それでは救済は間に合わない。

 今はAFLOP、SSR(Simple. Sequence Repeat=単純反復配列。モモとナシにおける品種判別のための信頼度、識別能力の高い)などの分子マーカー技術を使って、蘭の花びら或いは葉1枚だけで、DNAを抽出した後、DNAデータバンクと照合する。AFLOP技術は完全に遺伝子を対比するすることができ、鑑定結果は2週間以内にできあがる。SSR技術は速やかに遺伝子の断片から採取し、遺伝子をバーコード化し、照合は三日間で結果が分かる。

 分子マーカーシステムは幅広く各種経済価値の高い品種の鑑定に活用されている。例えば、台湾は胡蝶蘭の鑑定技術で各国をリードしている。日本はナシやばら、カーネーションの鑑定が得意で、EUはジャガイモ、椿。

 台湾は植物の新品種の保護に関する国際条約(UPOV, The International Union for the Protection of New Varieties of Plants)に加盟していないが、UPOVの鑑定基準や手順で加盟国に匹敵するぐらい国際水準に達する。それだけに、台湾の胡蝶蘭品種鑑定技術はEUから高い評価を受け、交流の意向を示されている。(2009.11)

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