知的財産権保護 第五回中台会談の正式議題として取り上げるべきと国会が決議

J091113Y6・J091106Y6 2009年12月号(J124)

 中国における違法コピー問題が深刻化している。中国市場に進出する台湾企業の農産品(育成者権)、特許権、商標権、商業秘密といった知的財産権は不正に利用されたり、侵害されたりしている。中華興信所の調査で、これまで3年間であわせて178件の特許紛争が生じ、平均で6日に一件のペースで起きている。 

 これを踏まえて、立法院は、商標権、特許権等知的財産権保護問題を第五回の中台会談の正式議題として取り上げるべきことを決議した。中国大陸事務委員会スポークスマンによると、台湾側は12月下旬に行われる予定の第四回会談でこの議題について協議するよう中国側に促し、なるべく次の会談で正式議題として取り上げることに力を入れると発言した。 

 知的財産局長の王美花氏はこれについて、知的財産権に関する議題を第五回の会談で具体的に協議することになれば、特許優先権、知的財産権協力及び特許代理人の中国での受験・免許授与は優先的に交渉する議題になるという。王局長によれば、双方は個別案件の問題を処理する一つの確定したルートと協力体制が欠けている。ここ数年、両岸知的財産当局が密接に交流しているのも、紛争解決体制を確立させるためである。 

 パリ条約と世界貿易機関(WTO)のTRIPS協定により、台湾はWTOに加盟した後、WTO加盟国同士は互いに特許と商標登録出願で主張する優先権を受理しなければならない。即ち、特許の新規性と進歩性喪失を避けるため、当該特許・商標の最初の出願日を出願日とするのである。但し、優先権承認は国家の対等関係の問題が関わるため、中国とは未だに相互に承認しあっていない。 

 今のところ、台湾の商標保護は業者や消費者の通報に頼るしかない。両岸も個別案件ごとに処理する。台湾当局は商標保護をなるべく早く協議の議題として、通報と解決体制の構築を望んでいる。このほか、著作権も知的財産権保護の議題の範囲に取り入れるべきとしている。つまり、一方で知的財産権を享有すれば、他方でも保護される方向で検討を進めていく。 

 大陸委員会は定例の記者会見で、こう語る。「『阿里山』、『杉林渓』を名前をする台湾農産物や特産品など、政府当局は3年前に中国での商標の不正登録問題に関心を示し、当時も関連機関を招集して対応策を検討した。その後、中国工商総局が台湾訪問の際に、経済部知的財産局を視察したときに既に中国で不正に登録された商標登録を取消した。ただ、一部横取りされた商標はやはり存在している。」 

 農業委員会も侵害対応策に積極的に取組んでいる姿勢を国民にアピールするために次のようにリリースを発表している。「産地標章や商標などは属地主義をとっている。当地の国で出願登録された後、はじめて保護される。近年、農業委員会は産地団体及び地方自治体に指導して国内外で登録を行っている。現在、国内で登録を済ましたのは、阿里山茶、西螺濁水米、澎湖優鮮水産等を含む15件、同委員会は今後もさらに海外へ登録するよう推し進め、国際保護を強化する。このほか、台湾農産品の中国での識別力を高め、保護を強めるため、同委員会は今年、中国に対しCAS台湾優良農産品、CAS台湾有機農産品及び吉園圃安全野菜・果物三つの証明標章の登録出願を提出し、中国向けの販路開拓をサポートする。」(2009.11)

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