司法院長:人と制度面から知的財産関係訴訟の質と効率の向上を図る

J091231Y9 2010年1月号(J125)

 司法院は200871日に知的財産裁判所を創設してから1年半が経ち、既に初歩的な成果をあげている。台湾は米スペシャル301条項の監視国リストから指定解除されたこと、わが国IT産業競争力は2007年の世界六位から2008年の二位に格上げ、首位のアメリカに次ぐこと、そのいずれも知的財産裁判所の創設に関係するといっても過言ではない。特に、知的財産裁判所にはわずか9名の裁判官しか配置されていないのに、受理した案件はすでに2,116件に達し、終結した案件は1,603件。平均で一件につき100日間で結審し、知的財産関係事件が求める審理の迅速化が図れている。

 司法院長頼英照氏によると、人と制度の両面から知的財産関係事件の裁判の質と効率の向上に努める。人の面においては、専門性を高め、マンパワーを充実させる。制度面においても、国際ハーモナイゼーションを図る努力をするという。

 頼院長はこう語る。「知的財産事件は複雑かつ相当な専門性が求められる。統計データからみると、知的財産裁判所の創設以来1年半、取り扱った渉外事件の割合は27%に達する。したがって専門性だけでなく、渉外的かつ国際的な性格を持つ事件が多いのもその特徴の一つ。裁判官が国際的な知的財産裁判の審理に慣れるように、司法院は長年続いて裁判官を海外研修へ派遣していると同時に、国際社会における知的財産権の最新動向を把握するため、今年も次々と米国、ドイツ、日本の専門家、学識者を招き、知的財産権に関する時代の趨勢と実務を国内の裁判官に紹介し、裁判官が審理に当たってより国際観を持たせ、ひいて裁判の質の向上につなげていく」。

 裁判の質と効率の向上のため、頼院長は、人手不足を解決するほか、専門性の深化については、司法院及び知的財産裁判所は別々に技術審査官を選考したり起用したりして、裁判官が各種事件を審理するのに必要な専門知識の補強を図っている。制度面においては、各界から新しい制度に対する意見や提言が出され、司法院はこれに応じて、2010年に知的財産案件審理法研修会を発足し、法改正を進める方針を示している。(2009.12

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