専業裁判所・専業法廷相次いで設立 裁判官・司法事務官の専門性求める

J091221Y9・J091208Y9 2010年1月号(J125)

 200871日に創設された知的財産裁判所を含めて、司法院はこれまで10年間三つの専門裁判所を設立している。2010年、営造業法により台北地方裁判所に全国初めての工程(工事)専業法廷を、さらに国民が行政訴訟をし易いように20111月には各地方裁判所に行政訴訟法廷を設置する予定である。

 専門裁判所(専業裁判所)について、司法院は1999915日に高雄少年裁判所を創設し、翌年71日に高等行政裁判所を、200871日に知的財産裁判所を創設した。目下、少年及び家事裁判所を設置する可能性を検討している。

 専門法廷(専業法廷)については、通常の裁判所に設けてある労働者、少年、家事、医療、性的暴行、交通、知的財産及び少年等の専門法廷のほか、20088月に台北地方裁判所に金融専門法廷が設置され、専ら重大な金融案件を扱っている。司法院はさらに営造業法第67条ノ1により、建設工事関係事件を最も多く受け付けている台北地方裁判所を指定して、工程専門法廷を設置することになっている。

 裁判所や法廷の専門化に対応して、司法院は司法人員研修所を通して財務・金融・知的財産など様々な専門カリキュラムを計画するほか、専門法廷にも「専業裁判官証明書」を取り入れ、関係事件を取り扱う裁判官は証明書(資格・免許)を取得し、引き続き研修を受ける必要がある。今のところ、司法院が発行している証明書は、少年、家事、労働者、知的財産関係民事・刑事事件に関するものがある。また、様々な専門分野の知識を備える司法事務官を選考し、裁判官に協力して専門事件を扱う。例えば、20088月に会計、金融、証券等専門領域の司法事務官を30名起用し、日々複雑化かつ国際化の一途をたどる財務・経済事件を効果的に審理する狙いである。

 知的財産裁判所にも、特許審査官或いは商標審査官を経歴したいわゆる「技術審査官」が配置され、知的財産関係訴訟が関わる技術的問題で裁判官の判断に力を貸している。

 一方、工事専業法廷が間もなく設置されるのに備えて、司法院は今年に営造・建築・工事が専門の司法事務官の採用試験を行う予定である。司法院副院長の謝在全氏によれば、専門裁判所或いは専門法廷を設置した後、該当類型の案件は当該専門裁判所或いは専門法廷で取扱われることになるが、彼らの判決は終審判決でなく、当事者が判決に不服な場合、なお上級審に救済を求めることができる。

 専門法廷の裁判官は、裁判官が専門事件に関する論文或いは判決を提出し、更に現任或いはかつて最高裁判所裁判長、シニア裁判官或いは学識者、専門家の審査をクリアして、「専業裁判官証明書」を取得したうえで、専門事件の取り扱いが認められる。専門裁判所の裁判官も、司法院の選考委員会を通らなければならない。また長く裁判官の座に就くように、専門事件の審理にあたっている裁判官は、同じ類型の事件を連続して三年以上取り扱ってはじめて異動が可能である。(2009.12

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