勾留中被告人への取調べは夜11時まで 1月1日から実施

J100101Y9 2010年2月号(J126)

 基本的人権を保障するため、司法院は今年1月1日から、身柄拘束中の被告人に対する深夜の取調べを行わない。また、捜査中の勾留期間も1ヶ月に短縮し、必要な時には1ヶ月の延長ができるよう法改正を行う方針を示した。

 年末記者会見で、司法院は全国第一審、第二審裁判所は深夜の取調べを行わない制度の実施を表明した。これまで検察官による勾留請求は案件の複雑さなどで深夜まで取調べを続け、又は深夜になって勾留を請求し、被告人が長時間取調べに応じることはなくなる。

 刑事訴訟法第93条第5項(2009年7月8日公布)により、裁判所は勾留請求を受理した後、直ちに尋問を行わなければならない。但し、深夜になってなお尋問が終わらない、或いは深夜に請求を受理したときは、被告人、弁護人及び被告の補佐人になり得る人等は、裁判所に対し翌日の昼間に尋問することを請求することができる。裁判所は正当な理由がなければ、拒否することができない。また同条第6項により、いわゆる深夜とは、午後11時から翌日の午前8時までをさす。したがって、裁判所が勾留請求を受理した後、もし夜11時には未だ尋問が終わらない、或いは夜11時を超えてから請求を受理するときは、被告人や弁護人は裁判所に対し翌日の午前8時以降尋問を再開するよう要請することができる。

 勾留制度に関し、台湾現行捜査中の勾留期間は最長で4ヶ月。司法院は法改正を行い、これを1ヶ月に短くし、必要なときに1ヶ月の延長ができるようにする方針を示した。審判中の重い罪の勾留期間も短くし、最長で10年を超えない。

 このほか、電子的方式で被告人の行動を監視すれば、被告人が逃亡、再犯を防止する勾留の目的を達成することができるので、勾留以外の選択肢の一つとして考えられる。また、市民的および政治的権利に関する国際人権規約第9条第3号に宣言する「勾留は通例になるべきではない」という原則にも合致する。

 証人尋問について、司法院も現行法により被告人と同様のようにその人権を保障する方向で法改正を行う考えを示した。将来的には、検察官及び警察が証人を尋問するときは、拷問で供述を強制させたり、尋問が数時間に及び、証人が疲れた状態で続行したりすることができず、不当な方法で自白をとることも禁止する。また、取調べの全過程を録音し、必要なときには録画(可視化)する。

 上に述べた勾留制度、証人尋問手続のほか、上訴制度及び司法警察行為を不服とする場合の救済手続きも、司法院が検討している現行刑事訴訟法に関する改革案のポイント。また、検察事務官或いは警察等捜査補助機関による国民の身柄の拘束、逮捕、捜索、留置に関しても新たな救済制度を導入することによって、更なる人権保障を実現する。(2010.01)

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