慈済(慈善団体)と池上米(地理的表示)の不正登録、中国が取消しへ

J100201Z2・J100204Z2 2010年3月号(J127)

 中国と台湾間の盛んな経済交流に伴う商標の不正登録問題が深刻になっている。六年間の努力を経て、中国工商総局商標評審委員会はようやく「慈済」を「馳名商標」(周知商標)と認定し、かつ2001年に遡ってその商標権を保護することになった。非営利事業団体としては初めてのことである。
■訳注:慈済(Tzu Chi)基金会は本部を花蓮におき、出先機関として台湾本島と澎湖島の他に、40の国や地域におよそ100カ所の連絡拠点を設け、慈善、医療、教育、人文をモットーに様々なボランティア活動を行っている。

 2002年に「朝陽慈済」は中国で先に商標登録され、医療機関、歯科クリニック、心療内科カウンセリング等への使用を指定している。これについて、長年にわたって中国で医療救助に力を入れている台湾慈済基金会は2003年に異議を申立て、「朝陽慈済」の商標登録の取消しを求めた。だが、2007年に中国商標局が異議申立不成立の裁定をし、これを不服とした慈済基金会は翌年、中国商標評審委員会に再審査を請求した。

 一方、「池上米」は台湾で最も早く地理的表示として商標権による保護を申請したケースである。ところが、台湾市場に出回っているいわゆる「池上米」の八割以上は本物の池上米ではないばかりか、中国でも不正登録されている。台東県池上郷(「郷」とは地方公共団体の一)が商業総会を通して中国商標当局に積極的に働きかけた結果、とうとう台湾初の「地理標示(中国では「地理標誌」という)」として登録を認められた。

 「池上米」という表示が付けられるには、生産履歴、土地権利書(登記済証)が必要なだけでなく、収穫前20日間に役所に農薬残留検査を行ってもらい、また総量規制も導入されている。(2010.02)

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