知的財産局が積極的に中国と知的財産権保護協力協定を

J100330Y5 2010年4月号(J128)

 中国との経済協力枠組み協定(ECFA)締結を巡り、与野党の対立が激しさを増す中、台湾の知的財産権はECFAで守られないという報道記事が主力新聞紙の一面で掲載されている当日、知的財産局は早速ニュースリリースを発表し、両岸で知的財産権保護協力協定を進める必要性を強調した。同局によると、2009年12月23日に開かれた第四回台中会談で、双方はECFA及び知的財産権を第五回会談の議題として取り上げることに合意し、台湾国民の知的財産権が中国で有効且つオンデマンドで保護されるようにするため、今は積極的に中国側との知的財産権保護協力協定の締結に取組んでいる。

 台湾国民が中国で直面する問題の一つは、特許権をはじめとした知的財産権が侵害されたり模倣されたりすることで経済的な損失を受けていることである。このほか、中国中央と地方自治体の知的財産権関連法執行機関は協調性を欠くことも、取締りの成果が今ひとつ上がらない主因の一つと見られている。さらに両岸は今でも相互に特許権と商標権の優先権を承認していないため、台湾国民がその研究開発成果について出願のタイミングを逃してしまいがちである。そして商標が中国で不正登録されるなど問題が山ほどある。台湾の主力作物、例えばマンゴー、グアバ、パイナップル等は未だに品種権(育成者権)の出願対象植物として公告されていない。また中国現地で生産した果物が台湾産と不実に表示され、安値で市場に出回り、台湾の農家に甚大な損失を与えている。

 かかる問題の解決策として、知的財産局は農業委員会とともに2008年から民間機関を通じて中国の特許(国家知識産権局)、商標(国家工商行政管理総局)、著作権(国家版権局)の主務官庁と年に一回特許、商標及び著作権シンポジウムを順番に開催し、業務や知的財産権保護問題についてもシンポジウムが終了した後、意見交換を行う。

 但し、知的財産権関連事件は公権力に関わるので、民間団体を介しての処理には限界がある。海賊版・模倣品の流出など台湾国民の知的財産権が中国で侵害されたり、著名商標や台湾ならではの特産物の産地名(地理的表示)が不正に商標登録されたりするのを防ぐため、公的な機関による対話ルート及び協力的な処理体制の確立が望ましい。(2010.03)

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