米外国貿易障害報告、ネット上の権利侵害や教科書の違法コピー問題を指摘

J100405Z8・J100401Z8 2010年5月号(J129)

 米通商代表部(USTR)が最近発表した「外国貿易障害報告書」で、台湾に関して、米の入札制度や知的財産権保護、一部の業種への外資導入制限等々に関心を示す一方、大型自動二輪車をはじめ、酒類、缶詰スープ、お菓子、ジュースといった商品の関税引き下げを促し、また2000項目を超える中国製品の輸入禁止についても、米企業の市場展開に影響していると指摘。

 2009年の米国の台湾に対する貿易赤字は99億ドルで、前の年に比べて15億ドル減った。2009年の米国製品の台湾への輸出額は184億ドル、前年比26.1%減少だったのに対し、台湾製品の米国への輸入額は284億ドルと前年比21.9%の減少となった。貿易額が減少したものの、米国にとって台湾は世界15番目の輸出先である。

 台湾における知的財産権保護に関し、報告書では次の課題に言及している。
1. 知的財産権は台米貿易関係においての重要な課題である。米国は台湾当局の知的財産権保護への取組みを評価し、2009年1月16日に台湾をスペシャル301条項の監視対象国への指定を解除している。
2. 権利者団体は引き続きインターネット上の知的財産権侵害、教科書の違法コピー、トレードドレス(商品の外観・包装・デザイン)への保護不十分、偽薬(プラシーボ)の流通などを問題にしている。国際知的財産権アライアンス(IIPA、International Intellectual Property Alliance)のまとめによると、2008年の台湾における知的財産権侵害により米国産業は1億1,540万ドル(2007年の3億2,780万ドルより大幅に減少)の経済的損失を受けている。また台湾を介しての中国からの模倣品の輸入も解決を急ぐ。
3. インターネット上の著作権侵害対策の一環として、インターネット上の権利侵害を抑止するため、(権利者から)通知を受けたISP業者に著作権侵害コンテンツの削除を義務付ける「著作権法の一部を改正する案」は2009年4月、台湾の立法院を通過した。これにより、ちゃんと法的義務を果たしたISP業者はユーザーによる不法行為で連帯責任を問われずに済む。(2010.04)

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