2009~2013年の世界イノベーション指標 台湾は六位 今年度のジュネーブ国際発明品展、ピッツバーグ国際発明品展で最多受賞

J100620Y8・J100425Y8 2010年6月号(J130)

 EIU(Economist Intelligence Unit, エコノミスト・インテリジェンス・ユニット)が発表した2009年~2013年の世界イノベーション指標で、台湾は世界6位(新興工業国では1位)と日本、スイス、フィンランド、ドイツ、アメリカに続く。韓国は11位、シンガポール16位、香港22位、中国は46位にランクされている。
*訳注:EIUは英国の国際経済誌「The Economist」の企業間(B to B)事業部門で、世界約200カ国の政治・経済に関する詳細な分析、予測やデータを提供する調査・コンサルタント会社。その分析の信頼性と独立性は世界的企業、金融機関、政府機関など世界中のエグゼクティブから高い評価を得ている。

 イノベーション指標は、各国のイノベーションへの投入及びイノベーションの実績を評価して得た結果を示す。いわゆるイノベーションへの投入とは、研究開発経費の国内総生産(GDP)に占める割合、インフラの質・量、労働力の教育水準等。そしてイノベーションの実績は欧、日、米三極特許庁が付与した特許の数を根拠とする。

 台湾の2006年の研究開発支出(GERD, Gross Expenditure on R&D)は165.5億ドル、OECDの主要国のなかで11位。研究開発強度(GERDのGDPに占める割合)においては、2003年の2.31%から2007年の2.62%に増え、研究開発資金源は主に企業部門の割合(2006年は67.15%)が高く、政府部門が31.41%とそれを半数以上も下回る。このデータに示されているように、企業がイノベーションで先駆者の役目を担っている。それでも、政府の研究開発経費は毎年10%増で成長し続け、2012年には全国の研究開発経費のGDPに占める割合が3%に達する見込みである。

 台湾の百万人当たりの米特許取得数は米日より多い268件で世界一。イノベーション力の証として、今年のジュネーブ国際発明品展で、台湾チームは金メダル28個、銀メタル21個、銅メダル10個、特別賞3個を獲得し、最多金賞受賞で見事に世界1位に。この発明品展に参加して20年余り、最多の金賞受賞数を記録している。今年はアイスランドの火山爆発が影響して参加国が以前より少ない41カ国からの1100件余の発明品で技術を競った。台湾チームの63件の発明品のうち、59件が受賞し、受賞率94%で世界一を獲得。そればかりか、ジュネーブ国際発明品展、ドイツ・ニュールンベルグ国際発明品展と並ぶ世界最大規模の米国ピッツバーグ国際発明品展においても、金メダル24個、銀メダル25個、銅メダル5個、特別賞7個で「最優秀団体賞」に選ばれ、2位のアメリカ(金メダル19個)をはるかにリードしている。

 台湾は先端技術の発達により「知識集約型産業」が急速的な発展を遂げ、経済構造転換で主導的な役割を果たしている。経済建設委員会の2008年の統計データによると、2007年の「知識集約型産業」の経済成長に対する貢献度は2006年度の50.1%より12.9%大幅増の63%になったことから、台湾産業は効率の高い量産(サプライチェーン)体制から生活での応用についての技術革新(製品・システム・サービス)へと転換していることがわかる。これから重点的発展産業になる製造サービス業は、先端の研究開発サービスから末端の金融・運輸サービス業までをカバーし、さらに「製造サービス化」や「サービスアウトソーシング化」といった新しい体制を取り入れ、中国市場におけるシェア拡大に目を付けている。(2010.06/2010.04/2009.12.02)

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