台湾の海賊版ソフト利用率 4年連続下落、アジアで日本、シンガポールに次ぐ
J100511Z2 2010年6月号(J130)
BSA(ビジネスソフトウェアアライアンス)が5月11日に発表した調査報告で、去年の世界海賊版ソフト利用率はおととしの43%から41%に下落し、アジア太平洋地域の海賊版利用率も61%から2ポイント下がって59%になったが、全体に占める割合は依然として最も高い。ソフトウェア産業が海賊版により受けた経済的損失はおよそ514億ドル、そのうちアジア太平洋地域は約165億ドルを占めると推計されている。
台湾の昨年度の海賊版ソフト利用率は一昨年に比べて1%減の38%と4年連続で下落。アジア太平洋地域では日本(21%)、シンガポール(35%)に次ぎ、過去最低を記録した。去年、経済の不況にもかかわらず、海賊版ソフトの利用率は2006年以来、4年連続で下落したことから、政府当局と民間での持続的な知的財産権保護活動が効果を発揮し、知的財産権が保護されるべきであるという意識の芽生えといえる。せっかくの成果を今後でも維持できるように、海賊版の取締り強化と知的財産の宣伝教育に取組んでいきたいと関係当局がコメントを発表した。
調査対象のなかで、54の国・地域の海賊版ソフト利用率は下落、19が上昇、38が横ばいを保っている。BSAによると、海賊版ソフトが氾濫する背景にはブラジル、インドや中国など新興国のパソコン市場の需要増があると見られる。(2010.05)