IMD世界競争力ランキング 台湾はこれまでの自己最高位の八位に 企業の効率性評価で三位

J100519Z8・J100518Z8 2010年6月号(J130)

 スイスに本部を置く調査研究機関、国際経営開発研究所(International Institute for Management Development, 略称IMD)が発表した2010年の国別世界競争力ランキングで、台湾は昨年の23位から8位に躍進し、自己ベストを記録しただけでなく、調査を受けた58カ国のなかでも最も成長率が高い。

 順位を15位も上げての急浮上は、「企業競争力」(去年の22位から3位に)及び「政府の効率性」(18位から6位に)対する評価が昨年より大幅に上昇したためと見られる。そのうち、「企業の効率性」は77.63点を獲得して1位シンガポールと2位の香港より2点の僅差で3位。

 この世界競争力ランキングから、金融危機に喘ぐ欧米諸国に比べて比較的影響の軽微なアジア経済体への評価が高いことが分かる。シンガポールは初めてアメリカを追い越して首位に、そして香港は2位。アメリカは首位から3位に下落した。勝負の分かれ目は僅か1ポイント足らずの差だった。

 さらにこのランキングから得られた結論を次に整理してみる。一つ目は、東アジアの新興国の台頭、二つ目は政府の財政が競争力を左右する。財政難は日本、アメリカ、ヨーロッパの競争力を低下させる懸念材料となる。三つ目は中国との関係改善と低税率環境が台湾の順位を上げる。

 去年の世界経済の消長、国際為替及び金融資産の大きな変化が、今年度の順位の大幅な変動を引き起こした要因と考えられる。各国の競争力は、グローバルな環境の大きな変化に伴う損失を如何に最小限に抑えるかという「リスクコントロール力」によるという。これは効率性の向上よりも大事である。

 ギリシャ国債急落危機が世界金融市場を揺さぶっている。これを受けて、今年度の報告は初めて各国の負債状況に深入りして、各国政府の負債を「持続可能な範囲」に引き下げるのに所要する時間を推計してみた。IMDによると、日本政府の負債問題が最も深刻で、2084年にならないと負債水準を国内総生産(GDP)の六割以下に抑えることができないという。

 これから台湾が直面する挑戦として、IMDは一流の人材育成、イノベーションの促進、快適な生活水準の維持と持続可能な発展環境の確保、中国との経済貿易関係の正常化、コーポレートガバナンス強化と金融・財政の継続的改革を取り上げている。(2010.05)

2010年のIMD世界競争力ランキング上位十カ国

順位

 去年の順位

 国名

1位↑

3位

シンガポール

2位

2位

香港

3位↓

1位

アメリカ

4位

4位

スイス

5位↑

7位

オーストラリア

6位

6位

スウェーデン

7位↑

8位

カナダ

8位↑

23位

台湾

9位↑

11位

ノルウェー

10位↑

18位

マレーシア

2006~2010年のIMD総合競争力ランキングにおける台湾の順位

年度

順位

2010

8位

2009

23位

2008

13位

2007

18位

2006

17位

2009~2010年のIMD世界競争力調査における台湾の順位及び評価

 

総合評価

経済

政府の効率性

企業の効率性

インフラ

2010年

8位

16位

6位

3位

17位

2009年

23位

27位

18位

22位

23位

出典:2010年のIMD世界競争力年鑑
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