公取委が「販促広告案件に関する処理原則」を策定

J100729Y4 2010年8月号(J132)

 公平取引委員会における「販促広告」の取扱いを定める基本的な原則が、2010年7月28日の行政院公平交易委員会(日本の公取委に相当。以下、「公平会」)第977回委員会議で議決されたことにより、事業者が販促広告をするにあたってこれらの定めに触れないよう注意する必要がある。

 事業者が広告によって商品或いはサービスの販促を行うのがごく普通なことだが、これをめぐる取引上のトラブルや公平取引法違反事案をしばしば耳にする。そこで事業者が不実な販促広告をさせないために公平会はこれまで処分の対象になった事案を類型的に取りまとめたのがこの処理原則である。

 処理原則では、事業者が販促広告をするのに従うべき規範を掲げ、広告内容の真実を求めるほか、販促商品(サービス)について在庫品の事前確認や数量限定確保などの準備作業、重要な取引条件が付いた場合もその内容を明確にしなければならない。販促広告でよくある違法行為、たとえば特別価格或いは贈呈品提供との表示があるが、実際と異なる場合がある。また、広告で最安値(最低価格)を示しているが、実際は販売していない、或いは最安値ではないなどについて、違法行為の類型及び法律効果を明確に定めることによって、公正な競争環境づくりを目指す。(2010.07)

§販促広告案件に関する処理原則§
一. 取引秩序の維持及び消費者の権利確保を図り、並びに事業者が不当な販促広告をもって消費者の誤解を招き、市場における不正競争をきたすことを避けるため、この処理原則を定める。
二. この処理原則においていう販促広告とは、事業者が商品(役務)の広告で特別価格、値引き、割引、分割払い、無料若しくは1つ買えばもう1つおまけに差し上げるなど価格若しくは数量に特典付き、又は時間限定若しくは数量限定の取引で贈呈品若しくは奨金を提供することにより、集客効果を促進し、その商品(役務)の取引の機会を増やすことをいう。
三. 事業者は商品(役務)の販促広告に関し、真実表示をする義務を尽くし、並びに販促の内容が実際の状況と一致することを確保しなければならない。
四. 事業者は販促広告を掲載する前に十分に考慮し、よく計画したうえで、適切に準備を進めなければならず、販促活動は自ら行うか、他の事業者と協力して行うかを問わず、広告の内容が適正に履行されることを確保しなければならない。
五. 事業者の販促広告に数量限定の表示がない場合、事前に十分な商品(役務)を用意し、販促期間内に広告どおりに提供し、広告の内容が適正に履行されることを確保しなければならない。
六. 事業者は商品(役務)の販促広告に関し、消費者が取引をする決定に十分影響する可能性のある重要な取引制限条件を確実に掲示し、不当な紙面の編集・配列及び表現方法により消費者が制限内容を認識するのが困難で、又は誤った認識若しくは決定を生じさせる恐れがあることを避けなければならない。
七. 事業者は販促広告に次の各号に掲げる虚偽不実又は人の誤解を招く表示又は標識をしてはならない。
(一)広告で示された商品(役務)の価格若しくは数量の特典が実際に提供されるものと異なり、実際には販売していない、提供される数量が広告で示されたより少ない、又は数量限定表示がないが、実際販売に出された商品(役務)が合理的に予測された数量より著しく少ない。
(二)広告で示された商品(役務)の価格、数量その他の特典は実際条件、負担若しくは期間などの制限が付いているのに、これを明示していない。
(三)広告で示された商品(役務)の図面、品番などの表示若しくは標識が実際の取引状況と一致しない。
(四)広告における贈呈品・奨金の内容、数量、価値、実施方法(資格、期間、方式など)、抽選期日などについての表示若しくは標識が事実と一致しない。
(五)広告で示された贈呈品・奨金は条件、負担若しくは期間などの制限がついているのに、これを明示していない。
(六)広告では商品(役務)の価格は業界では最も低い、若しくはこれに類する表示をしているが、実際は販売していない、又は販売価格が最低価格ではない。
(七)広告内容が適用されるのは特定の店舗、支店若しくは取引場所に限られるが、これを明示していない。
(八)広告では商品(役務)の数量が僅かなこと、若しくは数量限定を強調し、不実の販売をする。
(九)広告で虚偽不実の時間限定表示をする。
(十)広告では特別価格と表示しながら、実際に示された商品(役務)の「原価」、「市場価格」などの標準価格は虚偽不実若しくは人に誤解を招くもの。
(十一)広告では一定の数量・金額の取引をすると、その後の取引に利用可能なサービス券、割引券(クーポン券や割引チケット)などをプレゼントするとの記載がありながら、使用の方法、期間、範囲などの制限については明らかにしておらず、消費者にその価値に関する誤った認識を生じさせる恐れがある。
八. 販促広告は比較広告の方式でする場合、他人の商品(役務)について虚偽不実若しくは人に錯誤を招く表示若しくは標識をしてはならない。
九. 事業者は第七点に違反するときは、公平取引法第21条違反になる可能性がある。
事業者は第八点に違反するときは、公平取引法第19条第三号、第22条又は第24条違反になる可能性がある。

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