経済財政関連法的規制緩和 魅力的な投資環境を、グローバル投資誘致専門チーム発足後の第一弾:日本電子書籍出版協会、講談社、ソニーらとMOU調印

J100802Y5 2010年9月号(J133)

 グローバルな投資誘致活動の展開により、行政院は経済財政関連法規の全面的な見直しを行い、さらに特定の産業のニーズに応じて規制を緩和する方針を示している。各部会で法的規制の緩和を検討する単一窓口や専門チームを設置し、外資誘致に有利なビジネス環境を作る。

 投資誘致活動の第一弾は、産業界の代表が提案した法的規制の緩和。たとえば韓国、シンガポールのように桃園航空シティ自由貿易港区域の設置に関する規制緩和、国際医療を専門的に行う私的機関の会社設立認可、クラウドコンピューティング機器を設置するエリアに関する建築法規、日本の六本木ヒルズのような地域的都市再開発など。

 行政院経済建設委員会により、前の段階の法的規制の緩和は投資環境の改造に重点を置いたが、今の段階では、特定の産業発展について検討を進める。

 先日、日本から帰国した行政院「グローバル投資誘致活動先発団」は、講談社、電子書籍出版協会、ソニー、エフアイエス株式会社と協力覚書、楽天グループとはレター・オブ・インテント(詳細は下表をご参照)に調印し、見事な成果を上げていると発表した。日本企業は使用許諾や資本提携・技術提携の形で対台湾投資を拡大し、電子ブック、映画、動画、ゲーム制作、マルチメディアのオンラインエンターテインメント技術やコンテンツプラットフォームなどデジタルコンテンツの文化創造産業業者との提携が第一弾の主軸。

 2011年におけるデジタルコンテンツ市場の拡大が期待される中、電子ブックの成長はより鮮明になってくるだろう。販売好調で電子ブックリーダーという新興市場の争奪戦をどう勝ち抜くか?勝敗の分かれ目は何か?電子ペーパーのコア技術はE Ink、SiPix、 ブリッジストーン、富士通が握っている。前二社はすでに台湾の「元太科技工業(Prime View International)」、「友達光電AUO」に買収され、今では世界中の電子ペーパーの九割は台湾メーカーが提供している。パネル市場シェアも一位か二位を争っている。電子ブックの川上、川中、川下産業のサプライチェーンを揃えて持つ台湾では、これからも世界市場に重要な影響力を発揮するとみられる。

 さらに中国とのECFA締結で、双方の関係はより緊密になり、たとえば中国電子ブック最大手の「漢王」は「元太」の顧客で、ソニーもそうである。今年、「元太」は中国出版社と連携してデジタル教材の利用を促進し、また中国語電子ブックプラットフォームの宣伝普及で現地のマスメディア業者に協力し、E-ラーニング市場を共同開発することが伝えられている。本来経済貿易で緊密な協力関係をもっている台湾と日本企業には新興分野の中国上陸への追い風であろう。

グローバル投資誘致先発団

協力覚書(MOU)調印

主な内容

ソニー クラウドコンピューティング技術提携、マルティメディアオンラインエンターテイメント技術協力、新興市場専用情報通信製品の開発
講談社/日本電子書籍出版協会 映画・動画・ゲーム制作の利用許諾における共同協力、対台湾投資拡大
エフアイエス株式会社 先端半導体・自動車の共同研究開発、環境、医療、ガス計測器などの安全機器の共同開発、研究開発拠点の共同設置。

レター・オブ・インテント(LOI)調印

主な内容

楽天グループ 消費者金融事業拡大、クラウドコンピューティング技術活用のマルティメディアプラットフォーム構築、対台湾投資拡大、世界市場進出

交渉中

主な内容

三菱商事、Yamazaki、Mazak、富士通、NEC、TDK、日立、三井住友銀行 システム統合チーム設置、WiMAXシステム統合技術、国際研究開発センターを台湾に設置、クラウドコンピューティング産業への投資、中台間ECFA締結後の投資協力
出所:行政院
MOU:Memorandum of Understanding
LOI:Letter of Intent

2010.08

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