アップルから1億個のLCDドライバIC DRAM大手の力晶が受注生産

J100913X5 2010年10月号(J134)

 半導体大手の力晶(パワーチップセミコンダクター)は1億個の12インチウェーハ・ドライバICの委託生産を受けることが報じられ、直接発注ではないが、アップル社からiPhoneとiPad用チップの受注生産が初めて。一方、華邦電子(ウィンボンド・エレクトロニクス)、茂徳科技(プロモス・テクノロジーズ)などのモバイルRAMメーカーも日本のエルピーダ(Elpida)を通した受注生産が可能と予測され、いずれもアップル関連銘柄として注目されている。

 力晶はマイコン世界トップシェアのルネサス エレクトロニクスを通してアップル社製品のサプライチェーンの一環に取り込んでもらうことができた。iPhone一台につき1個のドライバICが必要、そしてiPad一台に3個のドライバICが必要である。アップル社からiPhoneとiPad用LCDドライバICのオーダーを受けたルネサスは総数1億個のこのオーダーを台湾の力晶に一任した形になった。台湾DRAMメーカーは初めて標準型メモリー以外の半導体製品を生産することになり、台湾と日本が長い間メモリー分野における協力関係を築いた成果が開花したといえる。

 力晶の12インチウェーハファウンドリは、世界に唯一パワーマネジメント、パネルドライバICなど特殊なICを製造するファブであり、生産が追いつかないほど注文が殺到。アップルは生産コストの節約を図るため、LCDドライバICについて12インチウェーハ採用を指定してルネサスに発注した。ところが、力晶は世界で唯一の12インチウェーハ採用ドライバICメーカーなので、このオーダーは力晶に発注したのと同然である。

 低消費電力化したモバイルRAM搭載のiPhoneとiPadのおかげで、台湾DRAMメーカーに新しいビジネスチャンスがもたらされている。アップルはエルピーダに発注することが多く、エルピーダのパードナーである茂徳、華邦は間接的な恩恵を受けることになる。(2010.09)

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